革新に挑む技術者集団
“創る人”と“使う人”つなぐ
大興グループ
DDXで新たなものづくりを支援
自動車関連を主力に製造業向けトータルエンジニアリングサービスを展開する。グループ10社の“得意技と併せ技”で、技術革新が進むものづくり現場に最適なソリューションを提供。プラットフォームで各社の専門技術を一元化したのが「DDXサービス」だ。40年以上の業歴と業容を生かし、ものづくりをワンストップで支援する。
変革と価値をもたらす
グループ各社は、例えば設計、解析、マニュアル、翻訳を発注元ごとに受注しているが、これらを“横串”にし、製造業向け業務支援のDDX(ダイコー デジタル トランスフォーメーション)サービスとしてパッケージ化した。
CAD設計データを起点とし、デジタル化した膨大なデータをベースに開発・設計、購買・生産、販売・サービス、顧客対応の各部門で支援内容を組み合わせトータルで業務効率化を図る。エンジニアリング分野のデータ・コンテンツ制作~加工~保管~管理~運用~配信を一元化。CADデータ軽量化と技術情報の標準化で後工程の活用が容易になり、部品表や生産設備シミュレーション、組立やサービスなどのマニュアル、各種研修資料が制作できる。
各マニュアルはAR・VR・AI機能の活用や、クラウド化により最新内容を維持、世界中で活用が可能に。エンジニアの働き方改革も後押しする。濵本社長は、「ものづくりの現場に変革や新たな価値をもたらし、企業経営の革新の一助となりたい」と開発の狙いを語る。
ものづくり現場が起点
創業者の濵本義則会長は、ものづくり現場の課題に着眼し、業容を広げてきた。この精神を受け継ぐ濵本社長はトライ&エラーの蓄積を事業の推進力とする。機械設計で創業したグループ持ち株会社の大興は、自動車関連を主力に産業機械やIT、医療機器向けなど顧客の海外展開に合わせて業績を拡大。事業会社で自動車設計・機械設計・CAE解析、中国地区唯一のマニュアル制作、技術翻訳や知財をサポート。人材サービスやITインフラ構築運営などのほか、スバルとの共同出資会社でスバル車全般のマニュアルを制作する。
大興は22年夏、技術サービス会社では珍しい、エンジニア・技術系人材の転職サイト「D‐TECH PORT」を開設。西日本地域に特化し、即戦力を求める中小企業を支援する。大興グループの採用情報を皮切りに転職希望者の在職中の悩み相談をはじめコンサルやマッチングを実施し、キャリアパスやワークライフバランスなどの要望に応える。U・Ⅰターンもサポート。
人間力×専門性×技術力
プロフェッショナル技術者集団としてものづくり企業を裏方から支えてきた。グループ全体の総力が高まってきた今、濱本社長は社会貢献できる企業体として存在価値を生かそうと考えている。「技術系人材の転職サイトはその一環。特に中小企業は技術系人材の採用に苦しんでいる。地方の活性化を事業推進の原動力としていきたい」
企業理念は人の成長によって企業が成長する―。人間力と専門性で技術力を磨き、自信と誇りを持って働ける職場を目指す。BCP対策の一環でDR環境を整えたネットワーク環境と基幹システムにより多様な働き方を促し、SDGsの推進体制も整ってきた。“創る人”と“使う人”をつなぎ地方の底力を上げる。
会社概要
大興グループ
本 社:広島市中区宝町4-28
設 立:1984年4月
資 本 金:8275万円
売 上 高:100億円(2021年6月期)
従業員数:約900人
事業内容:子会社7社を含むグループ10社で機械設計、解析、システム開発、翻訳・通訳、知的財産管理支援、ドキュメント制作、派遣ほか
T E L:082-241-7088
U R L:https://www.daikonet.co.jp/
※2022年8月当時の情報です。