ダイヤモンド建設工具を世界に展開
株式会社コンセック
100年企業へ向け、経営の多角化へ
建設向けダイヤモンド工具大手。コンクリート構造物を無振動で自由 自在に加工する独自技術を持ち、コアドリルなどの自社ブランド「Hakken」を開発販売する。例えば、ダムの湖底下部に穴を開けてトンネル設置、細い下水管に光ファイバーケーブルを敷設するロボットがある。現在、国内と海外18カ国に製品を輸出し、多くの土木、建設現場に導入されている。このほか、「特殊工事」、建設資材卸売などの「建設・生活」、自動制御盤、配電盤などの「工場設備」、デイサービスなどを運営する「介護」、ソフトウエア受託開発「IT」の6事業をグループ10社で展開。経営を多角化する。支店、営業所は国内計30カ所、海外現地法人は中国、台湾、工場は広島市と呉市、中国2カ所に設置。
世界的見本市「bauma」出展
製品は販売、施工、開発・生産の3部門が一体となり、現場の意見を反映して開発。切れ味、耐久性、使い心地に優れ、工事の効率化や確実な完工につながる機材、施工ノウハウを生み出してきた。2015年には初めて乾湿兼用のコアドリルを開発。ドイツ製最新型の全自動ダイヤモンドチップ成型機やレーザー溶接機を相次ぎ導入し、生産効率を飛躍的に向上させた。19年4月に、ドイツ・ミュンヘンで開催された世界最大規模の建設機械・建築木材機械等の見本市「bauma 2019」に出展した。baumaは1954年の初回以来、長い歴史があり、世界55カ国から3500社が出展。主力製品のコアドリル・ウォールカッター・ワイヤーソー等のダイヤモンド切削機械工具を展示。世界各国から集まった販売店・ユーザーへ製品やサービスを紹介・提案し、多数の顧客や来場者からの注目を集めた。
ワイヤーソーで切断施工時に、ダイヤモンドワイヤーの破断による部材の不意の飛散やワイヤーの飛来によって生じる事故から作業員を守るための「ワイヤーソー防護シート」を自社開発しオプション品として新発売した。自社製品以外でも機器など幅広く扱い、工事現場の細かなニーズに対応する。福島第一原発の廃炉向けに、原発関連企業とコアドリルなどの共同開発を進めている。
100年企業に向け
福田多喜二社長は、経営基盤の強化を掲げる。「顧客の開拓と既存顧客の深堀りの2つを柱に、〝顧客創造〟に重点的に取り組みます。そのための鍵は人材の育成。当社では、建築士や施工管理技士などの有資格者を増やすため、取得費用を負担するほか、資格手当などを設けて取得を奨励しています」
高度成長期に整備された公共施設や高速道路・橋梁などの老朽化等により、インフラ整備の需要が高まる中、建設業界への就業者数は減少傾向にある。同社は耐震補強や特殊工法による解体、リニューアルなど多彩な仕事に携われる魅力をPRし、人材の安定確保を狙う。明朗快活な社員が多く、社内は明るい雰囲気。新卒や第2新卒などの若手採用を進めており、地元大などから毎年若干名を採用。23年度は5人程度を見込む。また、業務拡充のため業界経験者の採用も計画。「何事にも積極的に挑戦するバイタリティーに溢れた人を求めています」
会社概要
株式会社コンセック
本 社:広島市西区商工センター4-6-8
設 立:1967年11月
資 本 金:40億9000万円
売 上 高:100億8109万円(2022年3月期連結)
従業員数::406人(2022年3月期グループ計)
事業内容:切削機具、特殊工事、建設・生活関連機器、自動制御盤、配電盤などの製造販売、介護施設経営、ソフトウエア開発
T E L:082-277-5451
U R L:http://www.consec.co.jp/
※2022年8月当時の情報です。