専門スタッフ50人超に成長
税務中心に幅広く中小企業支援

中四国最大級の会計事務所へ

　起業家や中小企業に加え、上場準備中の企業、大規模企業、業歴100年超の老舗など、多くの企業をサポートする税理士法人山根総合会計事務所。総勢50人を超えるスタッフで中四国地方最大規模に成長。全国の3万件ある会計事務所の中でも上位の規模に入る。2021年9月に法人化し、業容拡大を図る。
　現在、コンサルタント・スタッフが合計50人と、過去10年で5倍規模に成長している。人員拡張に伴って、本社近隣の中区幟町9―17の2階に支社も開設した。山根陽介代表は、
「従業員が30人を超えた頃から経営理念が大切だと意識し、3カ月に一度、全体研修を行っています。理念の最後に『豊かさの追求』とあり、顧問先と従業員の両方で豊かさを実現したいですね」と話す。

税務中心に相続・財務 コンサルティングなど

　サポート領域は、法人税務を中心に、相続税申告も年間100件の実績を持つ。さらに、財務コンサルティング・M＆A・医療クリニックの支援などへ拡大。顧問先に付加価値の高いサービス提供を目指す。
　顧問先は、毎年50社以上のペースで増えており、600社を超えた。累計相談件数は5000件。経営全般の悩み事に対応する姿勢で、多数の相談に事例を基に応えている。今後も専門家などを新規採用することで、顧問先を1000社へ引き上げる。新型コロナによる情勢不安などもあって、支援先が拡大している。
「コロナ禍が落ち着いてきたとはいえ、経営者にとっては依然厳しい状況が続いています。大企業にCFO（最高財務責任者）が存在するように、中小企業にも財務・税務・金融に精通した真のお金の専門家が寄り添えたら、企業もお金に悩まされなくて済みます」と山根代表。支援企業が、どんなに困難な状況にも負けない体制づくりを支援したいという。
　さらに、中小企業の財務支援を行う財務コンサルタントの養成講座を本格化。経営者・税理士などを対象にした講座で「決算書の磨き方」や「お金の相続と事業の相続」などをテーマに教える。受講したコンサルタントと連携し、中小企業への幅広い支援へとつなげていきたいという。

採用を積極化 100人体制目指す

　山根代表が創業者の父から引き継いで2023年で10年がたった。現在、専門スタッフ約50人のうち、税理士4人、公認会計士1人、医業経営コンサルタント1人体制。中国5県の起業家や中小、大規模企業に加え、上場準備中の企業などを支援する。国税OB税理士も入り、税務調査対応を強化している。
　山根代表は、「既存の税務顧問業務に付加価値を付け、地元企業の課題解決を行いたい。その中で、50人体制から100人体制へと成長できるでしょうし、規模が拡大することでサポート体制も充実できると考えます。さらに、社員にとっても挑戦できるように、首都圏への進出も検討したい」と、さらなる成長を見据える。「継続発展する企業の多くは、理念が末端まで浸透しています。事業経営では、うまくいくときもあれば、その逆もあります。両方の局面において、結果から目を背けずに『なぜ』と自問自答することが、その後に事業発展を左右すると考えています。今後も行動し続けたいですね」

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