イカ天製造でトップクラス
女性中心に商品開発を推進

まるか食品株式会社

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働きやすい環境づくりに注力

▽ 企画編 ▽


▽ 製造編 ▽


▽ 営業編 ▽


 尾道市に本社を構え、「イカ天瀬戸内れもん味」などのスルメフライを主体に、海産珍味やスナック類の製造販売を手掛ける。
 古くから瀬戸内交通の要所だった同市は、江戸時代ごろに海産物が集積する港町として栄え、北海道の良質なスルメが集まった。それを油で揚げたスルメフライが安価な総菜として地域に広がったという。まるか食品の歴史は漁師を生業としていた創業者の川原鞆一氏が、手作業だったイカ天作りを機械化したことから始まった。戦後の急速な近代化に合わせて大量生産体制を構築したほか、イカ天・のり天だけで約70種類(期間限定品を含む)という商品開発力を強みに、市場シェアトップクラスの企業に成長した。

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女性社員中心に開発 イカ天瀬戸内れもん味

 累計販売数約2800万袋の人気商品「イカ天瀬戸内れもん味」は若手の女性社員が中心に企画し、2013年に発売した。
 従来品は「酒のお供」として男性向けの味付けやボリューム感で作られてきた。花見や盆、年末年始が販売のピークで、「れもん味」は閑散期のテコ入れ商品だった。サクッとした軽い食感とレモン風味のさっぱりした口当たりに仕上げたところ想定以上の反響となり、観光土産品にリニューアル。ターゲットを女性に絞り、「尾道に観光に来た女性が土産に買って帰りたくなる商品」という設定で「酸っぱいけれど、おいしくて止まらない味」を追求した。一口で食べ切れるよう、従来品の5分の1にサイズダウンしたほか、女性の力でも真っすぐ切れる技術を開け口に採用したり、一度に食べ切れなくても保存できるように密閉チャックを付けた。瀬戸内海沿いの7県など官民でつくる「せとうち観光推進機構」からブランド商品の認定を受けたほか、雑誌や全国放送のテレビ番組で取り上げられて認知度が急速に高まり、一時は生産が追い付かないほどだったという。
 発売10周年を迎えた23年には、レモンの酸味と風味を高めた味付けに改良。「一口サイズの食べやすさ」が伝わるパッケージデザインに変更するなど、一層の拡販を目指す。

働きやすい環境整備 福利厚生を充実

 働きやすい環境づくりにも力を入れる。男女を問わない育児休業や短時間勤務制度、出生時の父親の特別休暇などの福利厚生を充実させるほか、独自のメンター制度「お世話係」を採用。入社2〜3年目の社員が新入社員に寄り添い、1年目に経験した仕事上での困りごとなどを同じ目線で相談に乗ることで、定着率の向上につなげている。川原一展社長は、「2年目の社員は社会人になって初めての後輩ができ、教える立場になります。教えることの難しさや、教わることの尊さ、教えてもらった人への感謝を感じてもらうことで、双方の成長につなげてほしい」と話す。
 部署ごとに目指す姿を設定し、達成状況を発表し合う「実行計画書」も推進。一人一人が自身の役割をどう変革して成し遂げるのかを明示することで、「当事者意識が芽生えて自己成長につながった」などの声が出ている。川原社長は「成果を出すためのコミュニケーションの場があるからこそ、人も会社も成長し続けています。限界を決めずに挑戦できる社員を多く育てたい」と意気込む。



会社概要

まるか食品株式会社
本  社:尾道市美ノ郷町本郷455-10
設  立:1969年6月(創業1961年3月)
資 本 金:9471万円
売 上 高:24億5000万円(2023年2月期)
従業員数:130人(2023年2月現在)
事業内容:スルメフライを主体に、海産珍味、スナック類の製造販売
T E L:0848-48-5585
U R L:https://e-maruka.co.jp/
※2023年9月当時の情報です。