Vol.1 広島市信用組合
~経営者に学ぶ学生インタビュー~
★ 広島女学院大学×広島経済レポート [ 共同プロジェクト ]★

学生が地元経営者をインタビューすることで、地域で輝く企業に目を向け、思考を深め、広島での就職意識を高めてもらうプロジェクト。広島女学院大学の2年生がキャリア授業の一環で、各業界のトップに「業界・企業研究」「仕事観」などをテーマに全11社にインタビューを行いました。
第1回は、2022年3月期決算で19期連続の増収と過去最高益を達成した広島市信用組合の山本明弘理事長に地元中小を支える思いを聞きました。
広島市信用組合 / 山本明弘理事長
― 理事長の仕事観は。
とにかくスピードを重要視しています。私は若い時からたくさんの現場をずっと巡り歩いてきました。その際に、どんなことでもスピードが大事だと学びました。例えば当組合は融資の可否を3日以内に決めます。お客さまがもし5日後に資金が必要だった場合、「1週間、10日待ってください」というわけにはいかないのです。3日以内に融資の判断を出せば、喜んでくださると考えています。仮に融資できなかったとしても早く判断を出すことで、お客さまは次の一手をすぐに打てますから。
― 職場環境づくりで気をつけていることは何ですか。
働きやすい職場であることが一番だと考えています。つまり、相談しやすい職場づくりが私の使命です。言いたいことが言えない職場は面白くありませんよね。
皆が相談しやすい環境が最も良いのですが、その半面で過剰な付き合い方をするのは良くありません。やはり仕事は、毅然とした態度で行うことが大切。そのような面で、店舗の美観を保つことも、皆の働きやすさや仕事に対する意識レベルを高める上で必要だと考えています。
また、好業績をもたらした職員に報いたいという思いから、長年にわたり給与や初任給の引き上げに取り組み、業界の中でも胸を張ることができる水準となりました。
現在の女性職員は178人おり、今年6月時点で課長が24人で代理が46人、係長が21人と係長以上が91人います。つまり、女性職員の過半数が係長職以上です。男女問わず公平に役職に就き、昇級していく組織が正しい在り方だと思います。これからの時代、女性を登用しない企業は成長できないでしょう。女性がさらに活躍でき、思い切り働ける職場にしていきます。
― 今後の目標は。
今年、当組合は地域の皆さまのおかげで70周年を迎えることができました。私は未来へ軸足を置いているため、この節目を一つの通過点と見なしています。将来、市信用が最高の形で100周年を迎えるためにも業績を一層上げなくてはなりません。直近の目標は預金・貸出金残高を各1兆円に引き上げることです。3月末時点でそれぞれ8027億円、7043億円となり、既に手が届くところまできています。
私自身は健康でありさえすればそれでよいのです。個人の目標よりも企業として、お客さまや職員に対する信用が第一。地元の中小零細企業を支え、応援し、融資で元気になってもらいたい。社内ではさらなる職員の待遇改善を目指しています。職員たちには市信用に勤めてよかったと思ってもらいたいですね。
― 新型コロナウイルスで変わったことはありますか。
例えばリモートの場合、そこで機械が動いている状況や、従業員の体制がどうなっているのか、子細をつかめない。だからこそ、「現場主義」。新型コロナウイルスの影響を受けた飲食業などについては、今まで良くしていただいた分だけ、私たちが支える必要があると考えています。私たちがお客さまのところに足繁く訪問することで喜んでいただけるのです。私たちが動かなければ情報は得られません。現場から全てが導き出されます。そのため、私や支店長も出歩くんですよ。
私たちがインタビューしました
取材日:2022年7月
会社概要
広島市信用組合
所在地:広島市中区袋町3-17
設 立:1952年5月
資本金:196億3172万円
売上高:(経常収益)176億7923万円
従業員数:368人
TEL:082-248-1171
URL:公式サイト
事業内容:金融業
※2022年9月当時の情報です。