Vol.6 株式会社ノサックス
~経営者に学ぶ学生インタビュー~
★ 広島女学院大学×広島経済レポート [ 共同プロジェクト ]★

学生が地元経営者をインタビューすることで、地域で輝く企業に目を向け、思考を深め、広島での就職意識を高めてもらうプロジェクト。広島女学院大学の2年生がキャリア授業の一環で、各業界のトップに「業界・企業研究」「仕事観」などをテーマに全11社にインタビューを行いました。
第6回は、安全靴製販のノサックスの野口隆志常務。日本だけでなく、欧米の安全基準を満たした安全靴を開発して拡大。事業に懸ける思いを聞きました。
常務取締役/野口 隆志氏
安全靴は目立たない存在で、世の中に知られることは、ほとんどありません。ただ、何を作るのにも必要です。道路や住宅、自動車、食品など、さまざまな製造現場で縁の下の力持ちとして、働く人たちの足元を支え、この国を支えています。
道路舗装用など、さまざまな安全靴を作っており、これまで日本中のあらゆる現場を歩き、研究を重ねて作り上げてきました。それぞれの職場に合わせた、より安全で快適な安全靴を届けたいと思っています。
― 海外の安全基準を満たす製品開発を目指したのはなぜですか。
― 国内市場をどう捉えていますか。
しかし、このネガティブな状況を悲観する必要はなく、逆の発想で捉えています。労働者の高齢化が進んでいるのならば、その現状に向き合い、柔軟な考えで靴づくりを進めたいと考えています。
お好み焼ソースや佃煮製造など広島を代表する食品産業でも当社の製品が多く採用されており、これらの納品先では幅広い年齢の方が働いています。特に食品製造の現場ではご年配の方も多く、滑ってケガをしてしまうといった危険と隣り合わせで仕事をされています。こうした現場の声を反映し、例えば食品製造業向けの安全靴は、危険を未然に防げるように滑りにくさと軽さを突き詰めました。マーケットの増減を過度に意識せず、チャレンジ精神を持って、モノづくりの現場の声やニーズと向き合っています。
― 新型コロナウイルスの影響はありましたか。
―「スペシャルオリンピックス」広島大会の副実行委員長を務められています。
広島県の人口280万人に対して県内の障害者手帳の発行数は2万数千部です。これは、県人口の約1%に当たります。しかし、社会保障を辛うじて受けられる人と受けられない人がいるように、この手帳をもらえる人と、そうでない人がいることを考えると、もっと多くの人が障害と向き合っていると推測されます。
スペシャルオリンピックスは知的障害の方がスポーツを通じて交流を深める重要なイベントです。2年ほど前にこうした活動に取り組む方と交流する機会があり、相談を受けました。「頼まれごとは試されごと」。私を信頼して頼んでくださるからこそ、公私ともにさまざまなことにチャレンジしたいと考えています。
こういった社外の活動は、私たちの商売と直接かかわりがあることではありません。でも、広島の街が良い街、住みよい街になれば、めぐりめぐって自分たちの事業の持続可能性にもつながる。また企業経営者にとっては、結局事業は社会を良くするために、社会の役に立つために行っているのだから、儲けになってもならなくても同じこと。社業は再来年で100周年を迎えます。これからも広島の街の役に立つ会社でありたいと思っています。
私たちがインタビューしました
取材日:2022年7月
会社概要
株式会社ノサックス
所在地:〒739-0038 東広島市田口研究団地6-40
(広島事務所:広島市中区紙屋町1-1-17)
設 立:1951年1月(創業1924年)
資本金:3000万円
売上高:8億9000万円
従業員数:14人(パート・アルバイト含まず)
TEL:082-425-3241
URL: http://www.nosacks.co.jp/
事業内容:安全靴の製造企画・販売、安全衛生保護具の販売
※2022年9月当時の情報です。
創業から98年の安全靴の老舗。「安全靴に世界基準という選択肢を」というスローガンの下、欧米の安全基準をクリアし付加価値を高める。「キングクラウンシリーズ」がトヨタ自動車で採用。2021年10月、広島市中区に営業所開設。