Vol.3 株式会社ミクセル
~経営者に学ぶ学生インタビュー~

★ 広島女学院大学×広島経済レポート [ 共同プロジェクト ]★

ミクセル|経営者に学ぶ学生インタビュー|広島女学院大学×広島経済レポート 共同プロジェクト

 学生が地元経営者をインタビューすることで、地域で輝く企業に目を向け、思考を深め、広島での就職意識を高めてもらうプロジェクト。広島女学院大学の2年生がキャリア授業の一環で、各業界のトップに「業界・企業研究」「仕事観」などをテーマに全11社にインタビューを行いました。
 第3回は、研究開発支援などのミクセルの島幸司社長。大学病院などの研究施設向けに理化学機器を販売するほか、子会社でリハビリ「特化」型の通所施設を運営しています。会社設立の経緯や学生時代の過ごし方、今後の目標などについて話を聞きました。

ミクセル|経営者に学ぶ学生インタビュー|広島女学院大学×広島経済レポート 共同プロジェクト株式会社ミクセル/代表取締役 島 幸司氏
― 会社設立の経緯は。  サラリーマン勤務していた同業の会社の経営がリーマンショックで傾き、部下たちの雇用を守りたい一心で設立しました。広島と東京に拠点を構えて2008年11月から事業展開しています。主にバイオテクノロジー関連の研究用機器などを扱っており、医療・介護サービスの発展に寄与することでより幸せに暮らせる世界を実現していきたい。
 子会社のミクセルヘルスケアは、ルネサンス(東京)のリハビリ特化型デイサービス施設にフランチャイズ加盟し、18年から西区で「元氣ジム広島天満町」を運営。理学療法士や運動指導員が常駐し、身体機能改善や認知症予防に効果のあるエクササイズなどを行っています。

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― ミクセルの特徴について。  社員数32人の中小企業ですが、ITツールなどを積極活用して全国どこに居ても仕事ができる体制を整えています。新しい事に挑戦するベンチャー精神があり、日本の医療を受けたいベトナム人向けのサービスを構想中です。人材育成にも力を入れており、社員全員が経営や財務、専門営業などを学びます。ピラミッド型の組織ではなく、一人一人が経営者と同じ目線で物事を判断し、チーム単位で自由に意思決定する仕組みが強み。また、家族のように支え合う大家族主義を掲げており、働きやすさと働きがいは高いレベルにあると自負しています。

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― 島社長の学生時代について。  元々経営に興味があり、20歳くらいで大学を休学して知人の会社立ち上げを手伝いました。自らの起業も考えましたが、銀行からの資金調達などを間近で見ていると、信用力がないまま独立してもうまくいかないと感じたので復学してチャンスを待つことに。その後も事業で成功している先輩のカバン持ちをしながら経営者の考え方などを学び、「男は飲みに誘われたら絶対に断ってはいけない、縁をつなぐためにも気持ちよく飲みに行く」や「成功者も裸でお風呂に入る。車や時計、服装などで着飾るのではなく、脱いだときにすてきだと言われる大人にならないと本物ではない」などの話が価値観の形成に大きく影響しました。

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― MBAを取得したきっかけは。  海外でビジネスをする際、互いの経歴について話す機会がよくあります。自身の経歴を振り返ると、私は機械工学科の出身で経営のプロではありません。専門的な勉強をきちんとしているという実績も欲しかったですし、社員さんたちを守っていくためにも自らの能力向上が不可欠だと感じました。45歳で県立広島大学大学院経営管理研究科(HBMA)に入学し、21年3月にMBAを取得。日頃から社員さんたちに自己啓発が大切と話しているので、社内では常に誰よりも勉強するように心掛けています。

ミクセル|経営者に学ぶ学生インタビュー|広島女学院大学×広島経済レポート 共同プロジェクト
― 今後の目標は。  大きなテーマとして日本の健康寿命の延伸を掲げています。日本は1億人超えの国で初めての人口減少国となり、超高齢社会に突入。世間では歓迎されない事だとされていますが、逆に世界中の人から日本は幸せそうだと言われるようにしたい。そのためにも、個々にある医療と介護サービスの新たなエコシステム構築を目指しています。例えば、けがをした際に医療からリハビリ、社会復帰までを一貫するコンテンツを生み出したい。今は会社の規模が小さいので社会に与える影響も限られますが、この目標を実現するためにも30年までに社員数100人規模を目指します。社会から必要とされ、応援される企業であり続けたい。

― 学生へのメッセージ。

ミクセル|経営者に学ぶ学生インタビュー|広島女学院大学×広島経済レポート 共同プロジェクト
 できるだけ若いうちにこの分野で世の中の役に立ちたいという志の芽を見つけてもらいたい。お金持ちになりたい、成功したいと思って行動するのは自分のためだからうまくいくか分からないが、人の役に立ちたいと思う時は大体うまくいくことが多い。さまざまな世界や仕事を見て、こんなことで困っている人がいるのか、助けてあげたいと心が動くものを見つけてほしい。子どもの頃の夢をかなえる人は1割もいないと思う。何の仕事に就くかよりもその仕事にベストを尽くせるかが大事。一生懸命に頑張れたという積み重ねがより良い人生に近づく方法です。

代表取締役/島 幸司 1973年4月17日生まれ、長崎県五島市出身。近畿大学工学部機械工学科卒。経営学を学ぶために45歳でMBAプログラムの県立広島大学大学院経営管理研究科(HBMA)に入学し、2021年3月に修了。
大学病院などの研究施設向けに、研究用機器や試薬の販売、各種コンサルティングなどを手掛ける。GPTW社の22年版「働きがいのある会社」の小規模部門(従業員100人以下)でベスト26位に選出され、同時に中四国地域の優秀企業5社に選定された。グループのミクセルヘルスケアでは、身体機能改善や認知症予防に効果のあるエクササイズなどを行うリハビリ特化型の通所施設「元氣ジム広島天満町」を運営する。

私たちがインタビューしました

社会においての自らの使命や役割を見つける大切さを学びました。今は自分のことで精いっぱいですが、いつか誰かのために頑張れるすてきな大人になりたいと思います。 林 日向子

まっすぐに目を見てお話ししてくださったのが印象的でした。社員さんへの信頼や事業にかける思いなどを聞いて、インターネットで調べて分かることなんて本当に一部でしかないと感じました。高橋 真綾

学生時代の話だけでなく、私たちの今後に役立つアドバイスもいただきました。自信にもつながり、自分の夢や目標を見つけられるようにように頑張っています。難しいことに直面してもすぐに諦めずに頑張ろうと思います。 チャンティトゥイリン

今まで知らなかった事業分野だったので、とても興味深く話を聞くことができました。何かあったら社員さん同士が互いに支え合う大家族主義も働きがいにつながる良い取り組みだと思いました。森岡 愛菜



取材日:2022年7月

会社概要

株式会社ミクセル
所在地:〒730-0043 広島市中区富士見町8-7
設 立:2008年11月
資本金:1000万円
従業員数:32人
TEL:082-546-3939
URL: https://www.mixell.co.jp/
業務内容:医療・理化学機器、試薬、消耗品の製造、販売他
※2022年9月当時の情報です。 大学病院などの研究施設向けに、研究用機器や試薬の販売、各種コンサルティングなどを手掛ける。GPTW社の22年版「働きがいのある会社」の小規模部門(従業員100人以下)でベスト26位に選出され、同時に中四国地域の優秀企業5社に選定された。グループのミクセルヘルスケアでは、身体機能改善や認知症予防に効果のあるエクササイズなどを行うリハビリ特化型の通所施設「元氣ジム広島天満町」を運営する。