Vol.3 株式会社ヒロタニ ~大学生が東広島市の企業5社をインタビュー~

★ 学生インタビュー|東広島ではたらこっか ★

株式会社ヒロタニ|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~

 学生が地元経営者をインタビューすることで、地域で輝く企業に目を向け、思考を深め、広島での就職意識を高めてもらうプロジェクト。県内外の大学生が2022年の夏、東広島市の企業を訪問し、インタビューしました。
 第3回は東広島市で自動車部品開発・製造・販売を行う株式会社ヒロタニの総合管理本部・総務部主幹 伊妻 勉氏にお話を聞きました。

― 自動車部品製造のきっかけは。

株式会社ヒロタニ|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~総合管理本部・総務部主幹 / 伊妻 勉氏
 1951年の創業からしばらく販売していたベニヤ板が、東洋工業(現マツダ)製自動車の内装部品に採用されたことです。事業拡大の好機と捉え、59年に内装部品製造に参入。その後も工場新設などに資金を投じ、力を入れてきました。
 内装部品は目立つ存在ではありません。しかし、もし防音・断熱に優れた部品がなかったら、エンジンの音や熱のほか、風の音や太陽の熱を直接受けることとなり、車内の快適さが失われてしまいます。また、断熱効果を高めれば空調の効きが改善するので、エネルギーを効率よく使え、燃費の向上にもつながります。まさに縁の下の力持ちのような存在ですね。

― 会社の目標やこだわりは。

株式会社ヒロタニ|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
 「音・美・熱」をテーマに、快適な空間を提供することが目標です。特に音に関しては、本社の実験室で素材の特性解析や実車評価を重ね、性能を高めています。美というのは人の視覚の部分。どのような質感や見た目であれば満足を得られるかを日々研究しています。
 スモール&コンパクトなものづくりも特徴です。資源は極力無駄にせず、再利用を推進することで材料の消費を最小限に抑えます。省くのは資源だけでなく、生産から流通までの時間や工数も。関西~九州に六つある工場へ人員や設備を集約し、効率よく製品を届けられる体制を構築しています。

― 製品完成までの道のりは。

株式会社ヒロタニ|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
 素材開発から数えると、製品化には多くの年月がかかり、その製品が車に採用されることが決まって、納入できる状態となるにはさらに数年の期間をかけて開発しています。
 また、製品は作って終わりではなく、品質の維持も求められます。半年~1年ごとに定期試験を行い、数値が基準から外れていないか細かくチェック。開発時には基準をクリアしていても、時間がたつと異常が見つかることもあります。特に作り方や、関わる人が変わったときは注意が必要です。
 もし問題が見つかれば、原因をとことん突き詰めます。例えば「なぜ作り方を変えたのか、なぜそれまでの方法はダメだったのか」のように、「なぜ」を5回繰り返す。そこまでやって初めて、問題の本質が見えてくると考えているのです。

― 電気自動車の普及による変化は。

株式会社ヒロタニ|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
 内装部品の大きな違いはありません。内燃機関車はエンジンと車両後部のマフラーから、電気自動車はモーターから音が出ます。加えてタイヤが砂や雨水を巻き上げる音は共通なので、どちらにしても遮音性能は求められます。
 大切なのは、音を出さないようにするのではなく、心地良い音に作り変えるということです。無音の状態では、ドライバーは車の挙動を感じづらくなり、気持ち悪さを覚えます。また運転が好きな人にとっては、加速感が得られるような音も大切。電気自動車であっても、必要な音を正しく聞かせることが重要なのです。

― 事業を長く続けられた理由は。

株式会社ヒロタニ|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
 常に話し合いを大切にしてきたことでしょうか。70年の間には環境の変化など、さまざまな問題に直面しました。そんな中でも社員全員が挑戦し続ける意識を持ち、多くの意見を取り入れることで困難を乗り越えられたと思っています。
 話し合いで重要なのは思いやりの心です。相手の意見を尊重したうえで、自分の考えを伝えるよう意識を共有。頭ごなしに否定せず、多くのアイデアから全員が納得できる結論をまとめるのが、正しいチームワークなのだと感じます。そうしたことを繰り返し、新たな領域への挑戦を続けています。

― 自動車部品以外の取り組みは。

株式会社ヒロタニ|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
 防音性能を持ったパーテーションを作っています。コロナ禍で企業や店舗での需要が増える中、私たちの技術で付加価値を生み出せないかと考えました。評判は上々で、作業ブースや打ち合わせスペースなどの空間が快適になったという声が届いています。本社のギャラリースペースにも実物を展示していますよ。

― 会社のいいところは。  アットホームな雰囲気です。社内イベントとしてカープ観戦やバーベキューを行うこともあります。こうした催しで社員の親睦を深めることが、本音で語り合うきっかけにもなっているのでしょう。
 他には本社社屋の壁面緑化や間接照明を使ったエントランス、廊下に飾った絵画もこだわっている点です。おしゃれで美しいオフィス環境を整えることで、社員のモチベーション向上につながればうれしいと思っております。

― 東広島市とのつながりは。

株式会社ヒロタニ|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
 地域があってこその会社だと考えているため、地元のイベントやボランティア活動などには積極的に参加しています。最近では、太田川クリーンキャンペーンという活動へ3年ぶりに参加し、地域の人々と一緒に近くを流れる川を清掃しました。また、会社の近くで小中学生が安全に登校できるよう、見守り活動も行っています。

― 学生に伝えたいことは。  最後まで諦めず、成功するまでやり抜く経験をしてほしいですね。そのために重要なのは精神力。オンとオフをきちんと切り替えて、やると決めたら思い切って挑戦する意識を持ってください。

総合管理本部・総務部主幹 / 伊妻 勉 1960年3月7日生まれ。82年に入社し、約25年間製造・技術畑を歩む。管理課課長・企画部次長・総務部部長を経て2022年4月から現職。



私たちがインタビューしました

普段は聞くことができないような話を聞ける、良い機会でした。会社の理念でもある「明るく楽しくそして挑戦」という素敵な言葉を胸に、これからいろんなことに挑戦したいです。 宮本 愛菜(広島女学院大学2年生)

インタビューを進める中で、音と熱へのこだわりに感銘を受けました。走行音を測定するシャーシーダイナモ室や工場の見学などの体験もでき、とても貴重な時間を過ごしました。 新佛 歩斗(広島経済大学3年生)

きれいなエントランスや清潔な工場、和やかな雰囲気でのインタビューから知った強いこだわりと挑戦する心。ヒロタニさんが快適な空間を提供できる理由の一つには、快適な職場環境があると感じました。 出木浦 万南(広島大学3年生)



取材日:2022年8月

会社概要

株式会社ヒロタニ
所在地:〒739-0269 東広島市志和町志和堀1153-10
創 業:1951年(昭和26年)
資本金:6000万円
従業員数:410人(22年6月現在)
TEL:082-433-6600
URL:https://www.hirotani.co.jp/
事業内容:自動車部品開発・製造・販売(防音、内装、外装、組み立て)
※2022年8月当時の情報です。