住宅着工数が過去10年で最少
〝ウッドショック〞の対策急ぐ

住宅着工数が過去10年で最少 〝ウッドショック〞の対策急ぐ

木材の供給量は、住宅の市場動向に大きな影響を受ける。2020年の県内の新設住宅着工戸数は前年比14・８％減の１万6050戸で、過去10年で最少となった。コロナ禍で、展示場の来訪者が減るなど営業活動の制約が響いた。

木材業界では米国の旺盛な住宅需要やコンテナ不足などから世界的な木材不足・高騰〝ウッドショック〟が起こっている。国内製材最大手の中国木材（呉市）は秋田県に国産材の新工場の建設を決め、世界市況に影響を受けにくい製材の安定供給体制の構築を急ぐ。こん包用の木材製造のオービス(福山市)は20年９月、米国向けの住宅用フェンス材などの加工事業を始め、現在では木材加工のうち１割を建材が占める。

コロナ対策で衛生面への関心の高まりを受けて新商品を開発する動きもある。建材メーカーのウッドワン（廿日市市）は抗菌・ウイルス加工を施したフローリング材や内装ドア用レバーハンドル、引手などを相次ぎ発売した。

生コン製販の合田産業（南区）は迅速な供給体制を整えるため、20年12月に同業大手の太平洋セメントグループ２社と共同出資会社を設立。