中心部で次々ビル解体施工
シナジー高め今期40億円目指す

テラスHDグループ

 総合解体工事業・桑原組などとその持ち株会社テラスホールディングス(西区己斐本町、桑原明夫社長)グループの2023年11月期は前期比14%減の売上高28億円、経常利益は1億2000万円だった。引き続き難易度の高い市街地での工事実績を積むとともに、街づくりを掲げる独自の事業推進体制〝ビジョンループ〟でグループのシナジー効果を高め、今期売上高は40億円を目指す。
 資材高騰などを受け、収益確保の厳しい工事案件を見送るなど慎重に受注活動を進めた。期中の大型案件はホテルセンチュリー21広島(南区)、明治安田生命ビル(中区)などのほか、県外のプラント関連の解体工事も手掛けた。都内で展開するフィルムリノベーション事業は住友不動産や三井住友銀行、損保ジャパンなどのオフィスビルで継続受注。工事品質はむろん特に安全確保と工期厳守が支持され、解体工事や環境リスク対策などの中核事業が売り上げの8割以上を占める。住宅事業「無印良品の家」や空き家管理なども堅調に推移。
 営業エリアは山陽3県中心に、大規模再開発事業が進む広島市中心部で主要ビル建て替えに係る解体工事を軒並み手掛け、今期は基町相生通地区第一種市街地再開発に係る旧市営基町駐車場や中電工業本社(南区)、JR貨物の白島社宅、東洋観光のひろしま国際ホテルなどを施工。昨秋からそごう広島店の内装解体、原状回復の改修工事などもこなし、リノベーションや無印良品の事業領域を生かしている。
 テラスHDは桑原組が22年9月に設立。解体工事を軸に「再生」「創造」「暮らし」「集う」の4事業分野を循環させる、街づくりの企画提案〜実現をグループの成長戦略に据える。昨年9月に南区松原町の広島JPビルディング2階にフードホール「GRAND GATE HIROSHIMA」を開業。3月に同ビル12階に同社オフィスを構える予定。