リフォームで広島最大手
働きがい重視し事業領域拡大
株式会社マエダハウジング
ヒートショックや空き家など社会課題解決へ
マエダハウジングは広島で11年連続リフォーム売上高トップの最大手だ。1993年の創業から3万4000件超の施工実績を誇る。
経営理念「私たちは住宅事業を通し、お客様の満足、社員の幸福、地域への貢献を同時に実現します」の下、「住まいと暮らしのワンストップサービス業」へと進化を遂げている。現在はグループ11社を抱え、リフォームを主軸に新築住宅、不動産取引、賃貸仲介・管理、不用品買取まで一貫対応。多様なニーズに応える体制を築く。例えば「空き家活用」や「性能向上リノベーション」といった住まいの価値を高める提案を通じて、中古住宅の流通促進や相続対応などの〝暮らしや資産の総合的なサポート〟も行う。これにより、顧客の子や孫の世代まで〝人生の節目に寄り添うパートナー〟として信頼を積み重ねている。
コングロマリット経営を推進
「地域密着型コングロマリット(複合企業体)経営」を掲げ、近年はM&Aを積極化。住宅以外の建物を改修する会社や1級建築士事務所、出版社、新卒採用会社などを次々とグループに加えてきた。24年にはM&Aで福山へ進出し、新築モデルハウスやショールームの開設を予定。25年3月には賃貸仲介・管理の島根不動産(広島市佐伯区)と島根県出雲市の戸建てリフォーム会社を買収した。グループ各社で横断的にDXや現場業務の標準化を進めるとともに、現場監督の相互派遣などで相乗効果を実現している。
地域に根差し、未来を育む企業へ
そんな同社だが、リーマンショックや広島土砂災害、西日本豪雨、コロナ禍など苦難の経験も多かった。しかし、逆境のたびに自社の存在意義に立ち返り、変革に挑むことで成長の糧としてきた。
前田社長にとって一番の苦境は、27歳の時に勤めていたリフォーム会社が突如倒産したことだろう。工事途中の顧客を見捨てられないと、独立を決意したという。それが「絶対に会社を潰さない」「社員を守り抜く」といった信念の源泉になった。社員の自主性と創造力を大切にし、自由に発言し挑戦できる環境づくりに力を尽くす。社員のワークライフバランスや健康経営も重視し、休暇の増加や残業時間の削減、従業員の定期健診受診率100%、男性の育児休業取得率100%などを達成。広島県の「働き方改革実践企業」や「働きがいのある企業」に認定され、25年には健康経営優良法人「ブライト500」に選ばれた。前田社長は、「苦難に直面したときに〝で、どうする〟の精神が重要で、さらに言えば、誰とやるかが最も大切です。会社の財産は人。自分の意見や気持ちを率直に表現できることが生産性を高め、新しい発想や大きな力を生みます。社員や家族、地域の方々など、関わる人が幸せになる。それが当社の存在意義です」と話す。
少年野球、けん玉、サッカー、バスケットボールの大会主催に加え、東区スポーツセンターや安佐南区民文化センターのネーミングライツ取得など、社会貢献にも積極的だ。
さらには、家庭内ヒートショックによる死亡事故という社会課題を防ぐための性能向上リノベーション、空き家問題の解決に向けた中古住宅の流通促進や、空き家を利用する室内農業なども推進。社会課題の解決と経済成長の両立を図る「ゼブラ企業」を志し、今後も地域との絆を深めながら100年企業を目指す。
会社概要
株式会社マエダハウジング
本 社:広島市中区八丁堀10-14
設 立:1995年4月(創業1993年1月)
資 本 金:1億円
売 上 高:45億3000万円(2024年12月期、グループ)
従業員数:165人(2025年1月現在、グループ)
事業内容:グループ11社でリフォーム、新築、不動産取引、賃貸仲介・管理、不用品買取、出版、人材派遣など
T E L:082-511-7552
U R L:https://www.maedahousing.co.jp/
※2025年9月当時の情報です。