Vol.2 現場で活躍する若手技術者・技能者特集[株式会社桑原組]
【広島商工会議所】地場建設産業の担い手に聴く!
地域インフラ整備・維持の担い手であり、地域社会の安全・安心の確保を支える建設業は、我が国の基幹産業として重要な役割を果たしています。建設業は“ものづくり”の醍醐味を味わいながら、社会や地域の発展に貢献できる産業であり、多くの若手技術者・技能者が活躍しています。建設現場で活躍する若手技術者・技能者にスポットを当て、地場建設産業の魅力の一端をご紹介します(広島商工会議所建設業部会)
株式会社桑原組 三世田 昇さん
ーどういったお仕事をされていますか。古くなったビルや商業施設、戸建て住宅など既存の建造物を取り壊して撤去する解体工事を行っています。解体工事は、ユンボなどの大きな重機を操作して太い柱やコンクリート壁などを壊す作業と、ハンマーなどの工具や溶接機械を使って人力によって解体する手作業を、建物の構造や広さ、立地条件などの状況に応じて使い分けながら作業します。
私は入社5年目で、現在はビルの解体をする際に重機を操作して建物の大枠を解体するオペレーター(重機運転手)のサブや手元作業に従事しています。具体的には、足場の上に登って無線を持ち、大きな機械のオペレーターから見えない場所や死角になる場所に関する指示を出すといったサポート業務を行っています。
広島市内をはじめ、あちこちで今、再開発工事が進められています。街全体をリニューアルする再開発では、対象となるエリアをきれいに更地にするところからスタートします。新しい街づくりに解体を通して貢献できる仕事です。
ー自己紹介をお願いします。
解体作業は、当社に入社する前から経験してきました。
父の仕事が解体業で、小さいころから時々父の仕事場に遊びに行っていたこともあり、面白みがある仕事だなと興味を持っていました。16歳ごろからは、定時制高校に通いながら、昼は父の仕事を手伝うようになっていました。高校卒業後は、大きな仕事を経験したくて、父のもとを離れ、当社に入社しました。
ー仕事の面白みとは?具体的に教えてください。
工事が完成して、そこに何もなくなって、きれいな更地になった時の気持ち良さ、達成感。それは何ものにも代えられないほどの大きさです。それがこの仕事の一番の魅力、やりがいですかね。力仕事も多いですし、しんどくて、難しい作業ですが、やり遂げた時の喜びや達成感は、しんどさなどすべてを帳消しにしてくれます。
当社の現場は平均すると1年ぐらいかかる長い大規模な現場が多いのですが、毎回違った現場を体験でき、新たな経験をするたびに成長でき、社会にとって必要不可欠な仕事で安定しているなど、この仕事には数えきれないほどの魅力があります。
ーどんなしんどさがあるのですか。
サブは、重機オペレーターの「目の代わり」を務めます。ビルの上などの高所や、重機の周囲で作業することが多く、常に危険と隣り合わせです。高い安全意識が必要で、意識の集中が途切れてしまうと、けがや事故につながるため、作業の間はずっと集中していなければなりません。とりわけ街中のオフィスビルの現場などは、周囲に建物もあり、すぐそばを人や車が通行していますから、近隣住民への気配りも必要で、責任も重いです。行動の制限などに関しての周知は事前にありますが、自分を守るのは自分自身です。自分で考えて、さまざまな危険を予知し、意識を集中させた行動が要求されます。
仕事への十分な理解、どれだけ多くの経験を積んできたか、それに加えてセンスも問われる仕事だなと思います。簡単な仕事ではないですが、1日の作業を無事にやり遂げることができれば、それも自分の中の日々の達成感と成長につながると思います。
ー夢や目標を教えてください。
必要な資格は、会社の方でそのつど取得させてもらえます。私は、重機などの車両系の免許、玉掛け作業、ガス溶接技能などの資格を持っています。
重機を実際に操作するオペレーターは、免許があっても誰でも乗れるわけではなく、重機の扱いに長けた技術力のあるベテラン職人さんが担当します。
目標は、自分で大きい機械に乗って、オペレーターとしてビルなどの解体をすることです。
ー建設業界に興味を持った方へのメッセージなどがあればお願いします。 解体の仕事は、危ない作業にはなりますが、やりがいの大きさは格別です。この世界で自分なりのやりがいを見つけて、ぜひ成長していただきたいです。
会社概要
株式会社桑原組
所 在 地:広島市西区己斐本町3丁目17-24
事業内容:解体工事、産業廃棄物処理、建築・リノベーション、賃貸事業等
創 業:1958年10月
備 考:広島商工会議所会員企業
(2024年7月現在)
情報提供:広島商工会議所 産業・地域振興部 産業振興課