熱処理を専門に半世紀
さらに技術磨き次の50年へ
株式会社ウエストヒル
電力などインフラ支える信頼が武器
24年で設立50周年
全国でも数少ない「熱処理」の専門企業として、2024年6月に設立50周年を迎えた。
熱処理とは、日本各地の発電所や化学プラント工場といった施設に数多く設置されている配管の接続部分に熱を加えて補強し、老朽化を防ぐ作業。建設時やメンテナンスに不可欠な処理とされる。ウエストヒルが手掛ける施設はインフラ関連など人々の生活基盤となるものが多く、まさに縁の下の力持ちとして社会を支える企業だ。
技術と信頼を高める
西岡伸悟社長は、「おそらく9割の人は、熱処理と聞いてもピンとこないでしょう。決して派手な業界の企業ではありません。しかし、もし私たちの作業にミスや不備があれば、与える影響は非常に大きい。それだけの責任が伴う仕事なのです。だからこそ、この上ないやりがいを感じられる会社だとも自負しています。また熱処理の効果は目に見えるものではないため〝ウエストヒルが施工したなら大丈夫だ〟と感じてもらうことが重要です。お客さまからの信頼を得るべく、電気工事士・低圧電気取扱業務などの資格取得を通じた技術向上に努め、確実にニーズに応えていきたい」と話す。
提案力も重視
経営ビジョンの一つとして掲げる言葉は「技術提案力ナンバーワンを目指す」。熱処理の技術を高めていくだけでなく、それを生かす提案も重要な要素なのだという。西岡社長は、「営業を担当する社員は、何気ない会話を通じて顧客の困りごとを察知し、解決のために最適な方法を提案します。それを受けた技術系スタッフが計画や内容を説明して施工を行うという流れです。専門知識や技能を持った理系出身者でないと働けないと思われがちですが、全くそんなことはありません。営業はもちろん、技術職であっても文理関係なく挑戦可能。仕事を通じて社会へ貢献したいという意志こそが何より大切です」と言い切る。
安全かつ快適な環境
1974年の創業当時は東京の熱処理メーカーの協力会社として、全国各地で増える発電設備の新設工事に必要な施工を従業員2人だけで請け負っていた。90年代に入り、下請け企業からの脱却を目指して社名を現在のものに変更したほか、自社独自で営業ルートを開拓。顧客との関係構築に努めながら、並行して高周波誘導加熱装置・局部溶体化処理といった新しい機材や技術を順次導入するなど設備投資も進めた。2003年には事務機能や倉庫が一体となった本社工場を取得。そして17年、西風新都へ社屋を新築移転し、より安全で快適な環境のもとで約20人の社員が生き生きと働いている。
広島県の「仕事と家庭の両立支援制度」認定取得やデジタルを活用した業務効率化など、働きやすい風土づくりにも注力。装置の点検やマニュアル作成を担う品質管理という部署では女性比率アップを計画するなど、今後は多様な人材を集めることでより組織力を高めていく。教育システムの整備やSNS・動画などを活用した広報やマーケティング活動の強化、新規事業への挑戦も進め、次の50年に向けたさらなる成長曲線を描く。
会社概要
株式会社ウエストヒル
本 社:広島市佐伯区石内北5-3-3
設 立:1974年6月
資 本 金:4500万円
売 上 高:3億3000万円
従業員数:18人(2024年3月現在)
事業内容:発電所や化学プラント工場の設備メンテナンスや建設工事における熱処理工事の施工
T E L:082-941-5051
U R L:https://www.west-hill.co.jp/
※2024年9月当時の情報です。