《廿日市》新機能都市開発で活力
企業の進出意欲旺盛

21年の地域経済③ 広島経済レポート

写真提供:広島県

 山陽道宮島SA東側の平良・佐方地区約70㌶(中核約55㌶)を造成し、新たな都市活力創出を目指す廿日市市の「新機能都市開発事業」。雇用拡大や観光振興などを目指し、2028年度完了を目途に準備が進む。21年度は事業計画本稼働に向け地権者から同意を得る重要な年となる。

 コロナ収束が見通せない中、工業施設用地約15㌶への市内外企業の進出意欲は衰えず、20年12月時点で30社からの要望面積は最大で倍近い。現用地が手狭、事業拡大、設備更新などが進出の契機となっている。17年度試算では分譲10年間で22億8000万円の経済効果をはじく。測量や地質、補償調査などを進める中、事業主体の土地区画整理組合の設立時期はコロナ禍で調整を要し1年ずらして22年度を予定。設立時までには立地交渉権を持つ企業を募り、設立同時期に造成工事に着手する運びだ。観光・交流施設用地約16㌶は設立準備会の事業協力者の西松建設が立地誘導を調整する。

 人口は減少傾向だが、15年から転入超過が続き、20年もその見込み。PR動画や海・山の自然が楽しめる地域資源をアピールして子育て世代を呼び込む一連の施策、JR廿日市駅北開発や大野地区の民間(A&C)分譲地などが奏功。コンパクトシティ構想を打ち出す市は地御前地区のJA広島総合病院一帯約2万7000平方㍍の整備に併せて22年春、医療モールやサ高住などを導入する官民複合施設(公共棟3、民間棟8階建て計延べ床約7000平方㍍)の共用開始を予定。医療、介護、保育などの拠点機能を強化する。民間棟は学研ココファングループが事業主体として運営。

 対岸や宮島口周辺にはグローバルリゾート、IBUKU、グランヴィリオホテル宮島など宿泊施設の開業が相次いだが、20年の宮島来島者数はコロナ禍で、過去最多の19年の465万人から一転し、220万人に半減。観光振興はコロナ対策一色となったが、潜在需要が浮き彫りとなる契機に。1人最大5000円を割り引く市内宿泊キャンペーンは期間の昨年7~12月に想定1万人を上回る1万7500人が登録63施設を利用。最大半額の体験型の再発見ツアーは約30事業者が参画、長期滞在を喚起するメニューが検証され、観光資源として整備する構え。

 20年2月に宮島口旅客ターミナル、4月に広島電鉄の商業施設「etto」が開業。22年度中に広電宮島口駅の移設工事着工、アクセスなど周辺整備も併せて計画されている。