住生活事業で地場トップ級
理想の住まいや暮らし提案

魅力あるライフスタイルの提案に取り組む

　不動産開発のトータテ都市開発や注文住宅のトータテハウジングなど13社でつくるトータテグループは２０２２年に創業60周年を迎えた。グループの若手社員が20年後のビジネスを議論する「ビジョン会議」を実施したほか、経営理念に「魅力あるライフスタイルの創造を通じて、すべての人がいきいきと暮らせる未来を実現します。」を新たに掲げた。川西亮平社長は、「理想的な住まいの提案とともにそこでの暮らし方にも一層寄り添う提案型の組織に育てたい」と話す。
　トータテ都市開発が東区牛田早稲田で手掛ける住宅団地「ＳＡＴＯＮＯＷＡヴェルコート牛田早稲田」は〝愛着を持って帰りたくなる現代の「里」〟をコンセプトに据える。全１３１区画に家庭用燃料電池「エネファーム」を標準装備するほか、現在建築中の街区では太陽光発電を採り入れてＺＥＨ仕様にするなど、住まいの価値を高めている。特定の世代が集中してしまう団地の課題解決に向け、１ＬＤＫ総戸数８戸のデザイナーズ賃貸住宅も２棟設けて新しい住民の入れ替わりを図る。広場やコミュニティハウスなど団地内のつながりを生む施設も備え、野菜市や収穫体験イベントを随時開いている。

生活様式に合わせた提案

　消費者のライフスタイルに合わせた多様なプランの提案にも力を入れる。トータテハウジングは22年６月、広島市北西部の大型住宅・産業団地「西風新都セントラルシティこころ」の開発と分譲を手掛けてきた西広島開発（佐伯区）を子会社化。同住宅地の未分譲地60区画を引き継いでさまざまなコンセプトのモデルハウスの展開やイベントを企画し、販売を強める。さらに23年５月に遊びや趣味の用途を加えたガレージ付きの新商品「ＧＡＲＡＧＥ×ＨＯＵＳＥ」を発表したほか、マンション事業では約２年ぶりとなる「ベルズ戸坂パークアヴェニュー」を発売。間取りの一部を自分好みのプランに設定できる「ライフアレンジプラス」を採用するなど、顧客の要望に柔軟に応える。
　トータテリフォームセンターは年間約１３００の施工実績を誇り、経験豊富なスタッフがきめ細かく対応する。サンゲツ中国四国支社が優れた事例を表彰する「コーディネートコンテスト２０２２」で計２８６点の応募作品の中から、同社インテリアコーディネーター２人が「山陽賞」を受けた。

魅力あるライフスタイルの提案

　魅力あるライフスタイルの提案に向け、さまざまな事業に挑戦している。22年６月に農業体験アプリなど開発のルート（神奈川）を子会社化し、23年３月には県内の５農園と連携して農作物の生育過程を観察でき、現地で農業体験を楽しめるスマホアプリ「Ｅｃａｌｏ（えかろー）ひろしま」の配信を始めた。旬の農作物の定期配送やライブチャットのほか、現地で農家と交流できる有料会員制度もあり、農業を身近に感じてもらいたいとする。川西社長は、「住まいのメンテナンスからライフイベントの変化に伴うリフォームや住み替えまで暮らしに関するさまざまな事柄にもっと寄り添えるように、デジタルを活用した仕組みづくりを進行中です。お客さまの生涯価値を高め、家族ぐるみのトータテファンを増やしたい」としている。

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