内航船から大型外航船まで手掛ける
国内有数の船舶修繕メーカー

株式会社三和ドック

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 1961年の創業以来一貫して、船舶修繕専業メーカーとしての地位を築いてきた、いわば「船のお医者さん」。船舶修繕に関連し長年にわたり蓄積したノウハウは、塗装やエンジンの分解整備、荷役装置の整備などのほか、さまざまな国際条約などに適応するための改造工事にも及ぶ。
 「船舶修繕業界は、技術革新に乏しい労働集約型の産業といわれる。しかし新しい技術があれば率先して取り入れ、挑戦するのが当社の社風」と寺西勇社長。2008年のリーマンショック以降は、輸送効率重視の観点から船舶の大型化が進んできたことから、大型船ドックの建設を英断した。
 16年には6万3000総トンのNo7ドックが完成し、従来からの内航船や近海船に加えて、大型外航船の受け入れが可能になった。No7ドックはさらに拡張できる余地を残しており、最大で7万総トンまでの船舶修繕に対応できる。
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大型船ドックに追い風

 大型外航船の修繕ニーズには現在、2つの追い風が吹いている。  1つはバラスト水管理条約発効に伴う、既存船舶へのバラスト水処理装置の搭載義務付け。24年9月の猶予期間までに、受注の確保に努める。
 もう1つは20年1月から実施される、硫黄酸化物排出規制の強化。基準を満たさない船舶は、脱硫化した高価な燃料油を使用するか、高性能の脱硫装置を搭載するか、天然ガスに対応するエンジンに転換する必要に迫られている。18年7月からは脱硫装置「SOxスクラバー」の設置第1号の工事に取り掛かる。
 既存の船舶に改装工事で新たな装置を取り付けたり、旧来の装置と交換したりすることは、想像以上に大変だ。スペースは限られ、配管は複雑で、図面のない状態から正確な3Dの図面が得られなければ、設計や工事がままならない。

3D図面化で先行

 3D図面を得るために実用化したのが、リバースエンジニアリング技術だ。図面から実物を作り上げるのと逆の発想で、実物(船舶)を測定したデータを基に3D図面を製作する。
 測定には1秒間に90万ポイントの三次元座標が得られる3Dレーザースキャナーを使い、スキャンデータを基に精密な3D CADのデータを作り上げる。測定データから高精度・正確なCADデータを作り、活用する技術では、同業他社に先行する。測定は対象船舶が、どこかの港湾に停泊中に出張して行うことも可能。事前に測定し準備することで、後日ドック入りした際に、速やかに改造作業に取り掛かることができる。
 同社は10年以降、製造関連だけでなく独身寮や本社ビル建設などの働く環境整備にも積極的な設備投資を続けてきた。16年に完成した新本社ビルは、快適で機能的なオフィスに対して授与される民間団体の「中国ブロックニューオフィス推進賞」に輝いた。18年9月完成予定の別館には、400人収容の大食堂を設ける。
 設計技術者にはベトナム人が6人、女性が2人在籍し、外国人や女性の活躍の場を広げている。シャワールーム付きのきれいな独身寮があり、地元以外からの採用拡大に期待する。一連の環境整備は採用面にも数字となって効果が表れている。

会社概要

株式会社三和ドック
本  社:尾道市因島重井町600
設  立:1961年
資本金:7000万円
売上高:56億5780万円(2017年8月期)
従業員数:353人
事業内容:各種船舶の修繕と改造
T E L:0845-26-1111
http://www.sanwadock.co.jp/

※2018年8月当時の情報です。

 

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