150年超の仏壇づくりの技が需要を創る
神社仏閣や神輿など、手掛ける分野が多彩に

株式会社三村松

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 2017年8月、安芸郡府中町の龍仙寺新本堂の内陣仏具一式を修復した。欅の須弥壇の木地を生かしながら本来の本願寺様式に仕上げた技量は、実績と職人の腕の賜物だ。本堂建立は日本最古の社寺建築会社 金剛組(大阪)。578 年創業の同社との初の〝コラボレーション〟は、三村松の技術力を更に高め、可能性を広げようとしている。
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金仏壇づくりの技が生きる

 寺院施工のほか、安芸郡坂町の坂八幡神社所蔵で浅野藩所有だった「六角神輿」の修復にも当たった。木地直しのほか金具は採寸して作り直すなど手間は掛かったが、文化財クラスが手掛けられる技術力を改めて裏付けた。神輿は坂町に寄贈され、町の新たなシンボルとして活躍の場が期待されている。
 三村松は、木地~塗り~金箔貼り~彩色~組立の一貫体制を備え、7工程の職人「七匠」がスキルを発揮。全国的に仏壇の修理・修復需要が拡大する一方、千差万別の対応が要求される神社仏閣の新調・修復も増えている。実績が好循環し、仕事の幅を広げ奥行きも深まっている。三村邦雄社長は、「仏壇づくりで磨いた技術を多彩な分野で生かす。先祖に感謝し、故人をしのぶ仏壇とは、また異なったつくる喜びがある。伝統を守るには進化が不可欠。常に新たな分野に果敢に挑戦していきたい」
 世界最古の会社でもある金剛組との仕事は、〝超一流〟に触れ多くの気付きもあったという。

39年連続日本一の金仏壇製造

 創業153年。5代目三村社長は、好景気に沸く高度成長期に入社。仏壇づくりはまったくの素人だったが、これが国内最大規模の仏壇メーカーに成長する原点に。受注が途切れず納品を待ってもらう状況を打破しようと、工場を建設、分業による近代的な生産体制を導入した。組み立て後に漆を塗る手順を、部品単位で塗った後に組み立てる工程に改めた結果、品質の良い仏壇を安定的に量産できる体制を確立。生産の効率化と同時に仕上げをより美しくした。
 伝統工芸士を目指す若手も腕を磨き、やりがいを感じてほしいと、全国伝統的工芸品仏壇仏具展((財)伝統的工芸品産業振興協会と全国伝統的工芸品仏壇仏具組合連合会主催)に毎回出品。数多くの受賞歴を持つ。こうした積み重ねで、金仏壇の製造出荷数は39年連続日本一(宗教工芸新聞調べ)に。業界の革命児ともいえる三村社長。現在は国内需要が活況だが、仏教徒の多い海外への進出も将来展望に描く。

需要に応え、需要を創る

 16年には本社店舗隣りに「和の工芸館」を開設した。マンション向けなどにニーズが高いコンパクトな〝モダン仏壇〟などをそろえ、仏壇が暮らしにある生活空間を提案。2階ショールームにはリビングなどに見立てた空間に仏壇がしっくりと納まる。日常で身近に仏壇を感じ、親しんでほしいと願う。
 仏壇に手を合わせる人から本当に喜ばれているのか―。40年以上にわたる経営トップとして、この問いに真剣に向き合う。だからこそ、伝統を重んじながら現状に留まらず、進化にこだわる。「金仏壇の文化、日本の文化と、ものづくりの心を継承していく」と三村社長。必要とされる仏壇づくりにまい進していく。

会社概要

株式会社三村松
本  社:広島市中区堀川町2-16
設  立:1958年5月(創業1865年)
資本金:45億7000万円(自己資本比率94%)
売上高:41億6350万円(2018年4月期)
従業員数:351人
事業内容:仏壇、仏具の製造と卸小売り
T E L:082-256-0001
http://www.mimuramatsu.co.jp/

※2018年8月当時の情報です。

 

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