金仏壇製造出荷が40年連続日本一に
自社製造~販売~修復の一貫体制で伝統の技磨く

株式会社三村松

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 国内最大級の仏壇メーカー。創業154周年の2019年、金仏壇製造出荷本数が40年連続日本一(宗教工芸新聞調べ)を達成した。木地~塗り~金箔貼り~彩色~組立の全工程を自社製造する仕組みをつくり、広島県内直営10店舗体制と北海道~鹿児島の販売網で全国に卸す。
 経営基盤を築いた三村邦雄社主から6代目三村和雄社長がバトンを継ぎ、令和と同時に新体制のスタートを切った。
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ニーズに合わせ多様化

 仏壇づくりは木地、狭間、宮殿、須弥壇、錺金具、漆塗・金箔押し、蒔絵、塗りの職人「七匠」の技で成り立つ。全てを自社で製造し本業に徹することで、技術が磨かれ事業が拡大。近年は、修復需要が高まる一方、神社仏閣の新調・修復も増え仕事の領域が多様化している。由緒ある神輿の修復も手掛けるなど、文化財クラスをこなす技量が備わる。木製仏具も国内一の生産量だ。
 16年、本社店舗隣りに「和の工芸館」を開設。マンション向けなどにコンパクトな〝モダン仏壇〟をそろえ、仏壇が暮らしにある生活空間を提案する。成長エンジンの要は、三村社主の柔軟な発想と実行力にある。
 三村社主は全くの素人から仏壇作りをスタートした。高度成長を背景に、納品を待たせる状況を打破しようと工場を建設。分業による近代的な生産体制を構築し、品質の良い仏壇を効率良く安定的に量産できる基盤を作った。徒弟制度など業界の常識を打ち破り、変化を読んで柔軟に対応する経営姿勢が実った。

人を育てる

 伝統工芸士を目指す若手も、やりがいを感じてほしいと、全国伝統的工芸品仏壇仏具展(伝統的工芸品産業振興協会と全国伝統的工芸品仏壇仏具組合連合会主催)に毎回出品。数多くの受賞歴を持つ。好調な国内需要が続くが、海外市場の開拓も構想する。「伝統の技を磨き、引き継ぐと同時に、変化に合わせた製品開発を怠ってはならない。仕組みやブランド、市場に合う商品づくり、営業など全て、人の力にかかっている。人を育て、人が育ってきたことが当社の強み」と三村社主。
 先祖に感謝し、心安らぐ仏壇の役割。日本の心とものづくりの伝統を守り育てるためにも、進化し続ける構えだ。

IT化で近代経営を推進

 三村社長は、約10年をかけて業務のIT化を進め、生産や財務の効率・効果的な管理体制を整備。リアルタイムで売れ筋が分かるPOSシステムを全店に導入し、過剰な在庫を減らし適正化を図った。タブレット型端末を使って仏壇の修復例を示すなど、提案営業に生かす。国内外の生産・供給体制を構築し、グローバルな経営感覚を磨いてきた。「バトンを引き継ぎ、身の引き締まる思い。全国的な認知度をもっと高め、浸透させていきたい」。三村社主が進めてきた近代化をIT化でさらに強い経営基盤にする。
 右肩上がりの高度成長期と違い、難しいかじ取りが要求される。新体制に臨み、若手の役職登用を進め活躍の場を広げた。創業は、現所在地で初代三村屋嘉助氏が副業で始めた仏壇販売。これからも人を育て、人を喜ばせる健全経営に努める。「新しいことを模索し続けることが大事」。150年以上続く経営の指針だ。

会社概要

株式会社三村松
本 社:広島市中区堀川町2-16
設 立:1958年5月(創業1865年)
資本金:45億7000万円(自己資本比率93%)
売上高:41億6350万円(2018年4月期)
従業員数:351人
事業内容:仏壇、仏具の製造と卸小売り
T E L:082-256-0001
U R L:http://www.mimuramatsu.co.jp/

※2019年8月当時の情報です。