オフィスづくりを総合支援
文具、家具、内装、ICT構築が柱
株式会社フォーデック
持ち株会社制に移行、持続可能な成長へ
中四国地区の文具・事務用品卸の最大手。近年は「オフィス環境のトータルプロデューサー」を掲げ、働きやすい職場づくりやICT環境の構築など、顧客の課題解決に貢献できる商材の提供・提案に力を入れる。山尾剛志社長は、
「当社はお客さまから一番に相談してもらえる『ファースト・コール・カンパニー』を目指している。現在、中四国地区に8つの拠点があり、毛細血管のように張り巡らせた「Face to Face」のネットワークが強みだ。取り扱い商材は文具に限っていない。お客さまのニーズに合わせて商材を変える必要がある。変化をつかみ、自らも先んじて変わることで、それをお客さまへの提案に生かしている」
オフィス構築、ICT導入 両事業が成長をけん引
近年、働き方改革や採用力の強化を進める会社が増える中、働きやすく、社員の意欲・生産性を高められるオフィス環境づくりの受注が伸び、同社の成長をけん引している。同業では珍しく一級建築士が在籍しており、設計からオフィス家具の選定、内装・設備工事、移転に関する各種業務までをワンストップで請け負える体制を整える。
2022年には岡山支店に続いて本社3階と四国支社を全面改装し、ショールームを兼ねた〝ライブオフィス〟として稼働させた。働き方や目的に合わせてフロアを7エリアに分け、社内で多様な働き方を実践。社員が実際に働く様子を顧客に見学してもらうことで、提案営業にも生かしている。
ICT導入の事業も右肩上がりが続く。単なるデジタル化ではなく、目的に合わせたDX提案で業務改善や生産性向上を支援している。
持ち株会社制に移行 より強いグループへ
より強く、持続可能な成長を目指し、24年5月に持ち株会社「FORDECホールディングス」を設立した。フォーデックを中核に、文具販売4社、社内発の事業アイデアを法人化した2社の計7社を傘下に抱える。ベンチャーのうち1社は、現金払いの多い小・中学校での学用品購入をLINE(アプリ)で行えるクラウドサービス「こねっと」の提供をスタート。グループで新しい事業領域への挑戦を進めている。今後はM&Aも手掛け、グループでのスケールメリット創出を図る。
社員が主役の会社に 待遇・福利厚生を充実
山尾社長が主導し、「社員が主役の『人』を中心とした経営」を推進。23年8月には社員が始業・終業時間を自由に決められる「フレックスタイム制」を導入した。併せて営業社員が日報記入のために帰社するなどの無駄を省くため、社用車での直行直帰を可能にしたほか、経費精算や稟議書提出などをデジタル化し、場所を選ばずに働ける環境が整いつつある。また23年と24年に2年連続で基本給を底上げするベースアップを実施し、月1万円の奨学金返還支援制度も新設。年間休日数を120日まで増やすなど、待遇改善、福利厚生の充実を進める。山尾社長は、
「会社の成長の源泉は社員の成長だ。社内では若い人が挑戦できる機会も設けている。自分たちの会社は自分たちで良くしようという意識や風土の醸成に挑戦し続けたい」と話す。
会社概要
株式会社フォーデック
本 社:広島市西区商工センター6-9-39
設 立:1998年(創業1940年)
資 本 金:1億円
売 上 高:105億円(2024年4月期)
従業員数:296人(2024年4月現在)
事業内容:オフィス家具・ICT機器、文具等オフィス用品の販売、建設内装工事、空間デザイン、ITツール提案
T E L:082-277-8111
U R L:https://www.fordec.co.jp/
※2024年9月当時の情報です。