高成分野菜が伸長
今12月期に売上110億円予想
株式会社村上農園
スプラウト(発芽野菜)で全国トップの村上農園(佐伯区、村上清貴社長)は、2019年12月期決算で単独売上高110億円を予想し、大台突破を見込む。18年に98億9900万円を計上しており、沖縄村上農園と合わせた国内販売額は計画から2年前倒しで100億4300万円を達成済み。25年の300億円へ、生産設備への投資を積極化する。
きのこ、もやしを除く野菜の生産会社で100億円突破は国内で初めて。19年決算は、6月末までの第2四半期で売上高54億円を見込む。消費者の健康志向を受け、免疫力を高めるスルフォラファンの豊富な高成分野菜「ブロッコリースーパースプラウト」の出荷が十分に間に合わず、約6億円分のチャンスロスがあったという。7月から静岡の大井川生産センターで同商品の生産能力を25%増強し、対応を急ぐ。
5月末までの実績はブロッコリースーパースプラウトとブロッコリースプラウトが前年同期比約20%増となり、全体を底上げした。他の野菜の価格動向が例年より安かったため、栄養価と手頃な値段が強みの「豆苗」(エンドウの若菜)は減少した。多彩な色・形・風味の新商品「マイクロハーブ」(11種類)と生カキの風味がある「オイスターリーフ」は、全体量が少ないものの発売当初に比べて4倍に伸長。同商品専任の営業員を1人から3人に増やし、高級レストランなどに案内している。専用サイトに加え、18年12月に公式オンラインショップを開設した。生産品目全体では前年同期比6%増となった。売上構成比はスプラウト系が60%、豆苗30%ほか、カイワレ大根など。
早期の生産能力200億円へ
計9カ所の生産センター(沖縄含む)の最大生産能力(販売額ベース)は120~130億円で、新たな生産センターを相次ぎ計画し、早期に200億円へ引き上げる。
3月には宮城県黒川郡大郷町の用地6万487平方㍍に新拠点を着工した。さまざまな商品を生産する。1期整備の温室1万4000平方㍍・作業棟1600平方㍍に15 億円を投じ、20年中の稼働を予定。スプラウト換算で年産3350万パックを計画する。2期は6000平方㍍、3期1万6000平方㍍、4期6000平方㍍。20年夏には山梨にブロッコリースーパースプラウトの生産センターを完成予定。同年内に北海道でも新拠点を計画する。