県内唯一の総合酒類製造 クラフトジンが高い評価
蒸留所を新設、高付加価値の開発強化

中国醸造株式会社

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 2018年に創業100周年を迎えた県内唯一の総合酒類メーカーで、清酒や焼酎、リキュール、ウイスキー、みりんなどを幅広いアルコールを製造する。
 酒類の消費が低迷する中、県産原料にこだわったクラフトジンなど高付加価値商品の開発に力を入れる。海外のコンペティションで相次ぎ入賞を果たすなど、成果が出始めている。白井浩一郎社長は、
「従来の小売店の売り場は大手メーカーとの価格競争が激化。当社ならではの特徴があり、価値の伝わる商品造りを進め、大手と競合しない販路を開拓している。そのために、どのような場面で、どのような人に飲んでほしいのかを具体的にイメージした開発に注力。お祝いなど〝ハレ〟の場面で飲んでいただける酒を提供していきたい」
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広島県産にこだわり

 焼酎や清酒造りの歴史・伝統を受け継ぎつつ、洋酒の新たな可能性に挑戦するため、17年に本社工場の一画にクラフト蒸留所「サクラオ・ディスティラリー」を稼動した。そこで県内初となる「シングルモルトウイスキー」(1つの蒸留所でつくる大麦麦芽100%使用ウイスキー)や「クラフトジン」の製造に乗り出した。最初の商品としてクラフトジン「SAKURAO GIN(サクラオ・ジン)」を発売。広島県産のレモンやネーブルなどのかんきつ類、ヒノキなどのボタニカル(植物原料)を使い、広島を感じる味わいに仕上げた。間もなく、米国トップクラスの鑑評会、世界的に権威のある英国の酒類品評会などで、相次ぎ最優秀賞などを獲得した。
「一般的にクラフトジンは特徴が強いものが多い中で、広島らしさを出しつつも、王道のロンドンドライジンの製法を学んで踏襲したことが奏功しているのでは。これから本格化する海外販売で、これらの受賞が追い風になれば」 
 ウイスキーの貯蔵も始めた。18年12月に未使用のトンネルを活用した「戸河内 三段峡貯蔵庫」を竣工。22年の発売を目指している。
 蒸留所は、外国人を含む観光客の見学を受け付けており、日本の洋酒文化や自然の豊かさを発信する。19年にはじっくりとテイスティングを楽しめるラウンジスペースをオープンした。

スパークリングにも注力

 ベリーやシードルといった果汁を使うスパークリング(発泡)ワインの「Shiki」シリーズなど炭酸商品もそろえ、着実にラインアップを拡充している。
 日本酒にも注力。プレミアムシリーズの「一代 弥山」は、流通を限定し、特約専門店だけに卸し、飲食店からも引き合いが増加。「一代弥山 スパークリング」は日本料理など、繊細な料理に合わせやすい辛口で、シャンパン並みの細かいしっかりとした泡が特徴という。

価値の創造へ挑戦

 13年に発売した「もみじ饅頭のお酒」は広島銘菓もみじまんじゅうの味わいを再現し、土産物として定着。「カープ梅酒」など、広島東洋カープの関連商品も好調に推移する。「国内初の紙容器入り清酒『はこさけ一代』を開発したパイオニアスピリッツを持ち、新しい価値を提供し続けたい」

会社概要

中国醸造株式会社
本 社:廿日市市桜尾1-12-1
設 立:1918年10月
資本金:1億円
売上高:34億4000万円(2018年9月期)
従業員数:72人
事業内容:焼酎、清酒、リキュールなどの製造、販売
T E L:0829-32-2111
U R L:http://www.chugoku-jozo.co.jp/

※2019年8月当時の情報です。