市信用 25年3月期決算
22期連続増収、収益初の200億円超
貸出金8000億円、純利益50億円大台達成
広島市信用組合
広島市信用組合(山本明弘理事長)の2025年3月期決算は、貸出金残高が初の8000億円台となる8048億6500万円を計上し、売上高に当たる経常収益も202億700万円と初の200億円超えで過去最高となった。22期連続の増収。都銀・地銀・信金・信組で22期以上連続増収はなく、信金の最長が7期連続、地銀・第二地銀の最長が6期連続となっている。当期純利益も50億2200万円と初の大台を達成。自己資本比率は初めて12%を超えた。
預金残高は前期比187億6200万円増の8839億1500万円、貸出金残高は前期比102億3000万円増加。本業の収益を示すコア業務純益は1・2%増の118億8500万円、経常利益は臨時損益の減少で0・5%減の67億6200万円だった。バルクセール(まとめ売り)による不良債権のオフバランス化と将来に備えた引当金繰り入れで、与信費用は54億4900万円。不良債権額は2・5%増の160億8700万円だったが、不良債権比率は前期比0・03ポイント増の1・98%と低水準を維持した。
今期は経常収益215億3900万円と23期連続増収、経常利益70億2500万円、純利益51億700万円と過去最高を見込んでいる。コア業務純益は112億4200万円、自己資本比率12・1%、不良債権比率は1・98%を予想する。
全自動貸金庫ニーズに対応銀行職員の窃盗事件を背景に貸金庫サービスを廃止する金融機関が増えているが、自然災害や盗難などから財産を守るため貸金庫の要望が多く、市信用は2月に本店営業部の貸金庫をリニューアルし350マスを全自動化した。新築移転してきた可部支店は147マス、海田、己斐、五日市、府中、宮内支店各104マス、新設の広支店140マスの全自動貸金庫を設置し、全件契約済みになっている。市信用では主カギは顧客、副カギはすべて本部管理に改め、営業店職員が単独で貸金庫を開閉できないシステムに変更した。9月16日に新築移転開店予定の南支店、同じく12月予定の鷹の橋支店でも全自動貸金庫を設置する。
「広島経済レポート」2025年6月19日号掲載記事より