人財主軸に社会福祉事業で多角化
突然の事業継承から発展へ

ネクサスグループ

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代表取締役 川上 慶彰

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プロフィール

 1997年に埼玉県の城西大薬学部薬学科を卒業し、広島市内の長崎病院に勤務。2000年にネクサスに入り、翌年に父が亡くなった後を継ぎ、社長に就いた。1973年12月1日生まれ、名古屋市出身。

 広島の学生が県内企業の経営者に「働く」をテーマにインタビューした。今回はネクサスの川上慶彰社長。医療、介護、保育など福祉事業で多角化し、安佐南区祇園でも認可保育園の開設。新事業に挑戦する思いを聞いた。
―主な事業内容は何ですか。
 薬局・介護・保育事業の運営をしています。外資系医薬品メーカーに勤めていた父が1990年に創業し、北広島町で調剤薬局を開設しました。現在グループ6社で薬局、介護、保育、損保・不動産事業を展開。薬局はグループで広島・福山・岡山に19店舗、介護施設は広島市内で3ヵ所、認可保育園は広島と廿日市市で2ヵ所、英語教育特化施設が広島市に1ヵ所、その他にも、居宅介護支援事業所2ヵ所、福祉用具貸与事業所2ヵ所を展開しています。どの事業も「人が人を支える」、「人が人に対するサービスを行う」事業であるため、〝人財〟を大事にしながら仕事を進めています。 写真2
―人生のターニングポイントは何ですか。新人時代に苦労などはありましたか。
 ターニングポイントは父の病気をきっかけに会社を継承したことです。大学卒業当時は、「将来的には会社を継ぐかも知れない」と考えている程度だったので、父の会社ではなく、病院で薬剤師として勤務していました。しかし、突然の継承だったため分からないことばかりで、苦労が多かった。それまでのトップが居なくなることで、社員を不安にさせてはいけない。社外から信用を失ってはいけないという想いで必死でした。 継承後は、目まぐるしく変化する周囲の環境の中で業務の責任の重大さを感じ、会社の今後の展望について、役員会議を何度も重ね、社内外から厚く信頼されるよう、普段の行動一つひとつにも強く意識を持つようになりました。「楽しいこと」よりも「辛いこと」のほうが多かったように思います。でも、その経験を通して無駄な仕事は何一つないと前向きに考えられるようになりました。
―社長にとって働く上での信条は。
 世のために人のために役に立つ仕事をすることです。今は薬局・介護・保育などの事業を通して社会問題やお客さまのニーズに応じたサービスを提供し、「地域のためになりたい」、「困った人の役に立ちたい」と考えています。私たちのグループ理念も、お客さまや社員、その家族の幸せを追求し暮らしを良くしたい、地域貢献をしていきたい、という想いから生まれています。自分たちが良い仕事をすれば、社会が良くなるというところに面白さを感じながら働いています。
―御社の将来像をどのように描いていますか。
 今までの事業は全て社会保障の枠内にとらわれています。枠内で新しいことを始めるには限りがあるので、新事業は枠に左右されないことがしたい。試行錯誤の結果、2011年に2歳児から通える英語教育特化施設「インターナショナルプリスクール・ドレミ」ができました。外国人講師がいる保育園は、グローバル化の世の中で需要が高まっています。理想を現実にすることは簡単ではないですが、「世の中の役に立つ仕事をする」という信条の基、これからも事業を拡大したいです。
―座右の銘を教えてください。
 江戸時代、米沢藩を立て直した上杉鷹山の名言で、小学校の恩師から教わった「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」を挙げます。この言葉は、「どんなことでも成し遂げるには強い意志を持ち、ひたむきに取り組むことが大切である」ということを説いています。既存も新規事業でも多くの壁が立ちはだかりますが、こうした思いを持って乗り越えたいですね。私自身だけでなく、全社員がこの気持ちを持つことで、お客さまのニーズの変化に対応した選ばれる企業になると思っています。
―学生にメッセージをお願いします。
 私は学生時代にコンビニのアルバイトを通じて責任感を学びました。この学びは困難があってもやり切るなど、今の仕事にも生きています。学生は時間がたくさんあるので、やりたいことや今しかできないことを目いっぱい、熱意を持って取り組んでほしい。「人に熱と誠があれば何事も達成する」、「熱意がことを成し遂げる」といった医学者・細菌学者の北里柴三郎や、パナソニックの松下幸之助などの偉人は同様な言葉を残しています。もし失敗したらしっかり落ち込むことも大切です、きっと何かの糧になります。

学生の声

・今回の取材を通して、医療・介護・保育事業を中心に、身近な人々の笑顔と地域の豊かで快適な生活環境づくりに挑戦し続ける社長の熱い思いを感じました。また、「学生時代の経験は社会に出てから必ず役立つ」という言葉が印象的で、興味の有無に関わらず、さまざまなことに積極的に取り組むことの大切さを再認識しました。(三好) ・常に何か世の中の役に立つ仕事はないかと試行錯誤を繰り返す社長の仕事に対するひたむきな姿勢を私も見習いたいと思いました。残りの学生生活も社長の言葉を胸に悔いのないように過ごしたいと思います。 ・社長の「人」を大切に、「世のため人のために」働いているという言葉が印象的でした。自分のために働くのではなく「人」のために働くということについて改めて考えたいと感じたインタビューでした。(横井)

会社概要

 外資系医薬品メーカーに勤めていた川上社長の父が1990年に創業。北広島町で調剤薬局を開設した。現在グループ6社で薬局、介護、保育、損保・不動産事業を展開。安佐南区祇園で新しい認可保育園を開設。 (2017年2月時点)