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陸運・海運・倉庫

陸運・海運・倉庫:
ネット通販の宅配需要が増加
荷主と協力し〝運び方改革〞進む

 慢性的な人手不足の運送業は業務効率化の〝運び方改革〟が進む。長距離輸送が所定労働時間内に終わりにくいほか、渋滞や荷待ちなどの影響で労働時間が長い。近年はコロナ禍を受けたネット通販(宅配)の急伸で運転手の負担が増す。2024年4月には自動車運転業務の時間外労働が月平均80時間以内に制限される改正法が施行予定で、人手不足の状況との間で板挟みになりかねない。荷主と協力した省力化や労働環境の整備によって、人材の呼び込みが急務となっている。
 荷主と物流事業者の相互協力による改善を目指す「ホワイト物流」推進運動が19年春に始まり、県内の自主宣言企業は当初の約5社から21年6月現在で27社となった。荷主ではマツダ、コベルコ建機、青山商事、オタフクソース、医薬品卸のティーエスアルフレッサが取り組みを表明。他社との共同輸送をはじめ、渋滞と重ならない納品時間の設定、荷台連結トラックの導入、入出荷の予約受付システムの採用などが進む。
 食品輸送で地場大手のムロオは20年春から、コロナで乗客が減ったタクシーや貸切バスの運転手を受け入れる労務シェアを始めた。