組織を強くする「リスキリング」
~アナログ企業の覚悟。物流DXで課題に挑む~

◆◇◆合同呉運送株式会社(広島県リスキリング推進宣言企業) ◆◇◆

 近年、ビジネスで耳にすることが増えた「リスキリング」。これは企業が経営戦略に基づき、新たな業務に必要なスキルや知識の習得を社員に促すことを指す。広島県は、デジタル人材の育成や経済成長を目指し、リスキリングに積極的な企業の支援事業を展開している。今回は、社員の学びでDXに取り組む、合同呉運送株式会社 瀬島髙志社長に取り組みなどを聞いた。


取り組みを始めた背景は。

組織を強くする「リスキリング」|合同呉運送株式会社(広島県リスキリング推進宣言企業)合同呉運送株式会社 瀬島 髙志 社長
 2003年のグリーン経営認定(現在は離脱)をはじめ、18年には奨学金支援制度を県内企業で初めて導入するなど、新しい取り組みには真っ先に挑戦する社風がある。今回、リスキリング宣言を行ったのも県で第1号だ。
 背景には、時代の変化に対する危機感がある。喫緊の課題は、物流ドライバーの時間外労働時間が規制される「2024年問題」。対策を講じなければサービスを維持できなくなり、その影響はあらゆる業種に及ぶ。解決には業務効率の改善が不可避であり、物流におけるDXでそれを実現したい。




具体的な目標や課題は。

組織を強くする「リスキリング」|理研産業株式会社(広島県リスキリング推進宣言企業)
 25年までに5人がITパスポート資格を取得する目標を立てた。これは県主催のリスキリング研修を専務に受講してもらい、持ち帰った内容を踏まえて決めた。現在準備しているのは私と専務の2人だが、これから社員の能力を棚卸しし、適性のある人材を選抜する。
 どの領域にどうやってデジタルを活用するのかは、まだ暗中模索の状態だ。当社の強みはアナログな作業や属人的な技術であり、DXとは真逆。学びを進める中で自社に合ったシステムを見つけ、構築していきたい。




取り組みの先に見据えるものは。

組織を強くする「リスキリング」|理研産業株式会社(広島県リスキリング推進宣言企業)
 運送業にとって永遠のテーマは『安全』だ。当社は燃費の良いドライバーに手当を支給して優しい運転を促進、事故の防止にもつなげている。安全に寄与する他の要素をITで効率よく把握し、可視化できればいい。そのためには社員の学びと成長が必要。経営者として覚悟を決め、リスキリングに取り組んでいく。




取材日:2022年10月

会社概要

合同呉運送株式会社
所在地:呉市広多賀谷2-7-29
URL:https://godo-komatsu.wixsite.com/godokureunsou
業務内容:運送全般、保管、積み替え、物流コンサルタント
社 員 数:38人

情報提供:広島県 産業人材課(TEL:082-513-3414)
広島県は人材育成に取り組む企業に向け「リスキリング推進宣言制度」の活用を呼びかけるほか、DXを推進するため「ITパスポート取得支援補助金制度」を公募している。