[1級配管技能士]配管工事の専門技術者

地場建設産業の担い手に聴く!13

vol.13 1級配管技能士
上本聖人さん
株式会社大方工業所 技術部 技術主任

―配管技能士とはどういったことをするお仕事ですか。

 給排水管、ガス管、冷暖房設備、機械配管など、建築物の配管工事を行う仕事です。私は、入社8年目で、主に給排水衛生設備の仕事をしています。建物が建つ前の埋設配管から建物ができた後のトイレなどの器具付けまで、水回り全般の工事を行っています。

―資格について教えてください。

 配管技能士の資格は、配管工事の技能を認定する国家資格で、建築物の給排水配管工事に関する「建築配管作業」の場合、1~3級があります。私は、工業高校時代に2・3級を取得し、実務経験を経た後、昨年、1級資格を取得しました。今後は、監理技術者になれる1級管工事施工管理技士の資格取得を目指したいと考えています。

―自己紹介をお願いします。

 小さいころからレゴを組み立てたり、物を形作っていくことが好きで、始めると夢中になっていました。高校では環境設備科という学科で電気や水道などの設備を学びました。そこで恩師に技能を教えてもらい、配管する楽しさを知り、職人として働きたいと思うようになり、業界入りしました。
 入社後は、自動車ディーラーの新築現場に配属され、上司の下で衛生工事だけではなく整備工場の機械配管など、様々な技術やノウハウを学ぶことができました。見るもの、すること全てが新鮮で興味深く、現在の仕事の糧になる経験ができたのはとても幸運でした。

―仕事上の苦労などがあれば教えてください。

 作業スケジュールが決まっているため、時間に追われます。例えばコンクリートなどの基礎工事が終了した後、自身が水道管などを施工し、それが終わり次第、大工さんが床下地を作ります。自分の作業の前後が、別の職人さんの仕事に挟まれているため、自分の作業時間が制限されます。自分が時間をとれば、後の工程が遅れるため、常に意識して仕事をしています。
 覚えることもたくさんあります。また、建築の様々な領域に関わる場面も多く、多能工的に幅広くいろいろなことができることを要求されます。そこが苦労でもあり、やりがいも感じられるところです。

―最もやりがいを感じるのはどのような時ですか。

 取り付けた蛇口の先から水が出る時です。長い時間をかけて作り上げた配管の中を水がたどり、流れて放出された瞬間は、出来上がったという満足感と達成感で、思わず笑顔になります。この仕事は、やればやるほど、奥深く、面白いです。
 配管はミリ単位の精度が要求される仕事なので難しさもあるのですが、どういうルートをとるのがよいのか、話し合ったり、考えたりし、少しずつ完成していく過程を見ることができるのは嬉しいですね。個人的には、できるだけ楽にまた、簡単にできる方法やルートを考え、工夫していくことが好きで、そこもまた楽しいところです。
 配管として完璧な機能が求められることは当然ですが、出来上がりの見た目、美しさも大事にしています。出来上がったら隠れてしまうところであっても、そこは自分なりにこだわりを持っています。目に見えないところだからこそ手を抜かないように意識するのは、当社の上司や先輩方を見ていて教えられたことです。自分が上司を見て学んできたように、下の人に頼られ、目標とされるような人間になりたいと思っています。

―仕事に興味を持った方へのメッセージなどがあればお願いします。

 知識も技術も必要とされる仕事で、決して簡単ではありません。しかし、技術を身に付けて成長できる、とても面白い仕事です。そして、流行りのDIYや家の修理など、プライベートでも技術を役立てることができます。私は、毎日がとにかく楽しいです。興味を持った方はぜひチャレンジしてください。

 

会社概要

株式会社大方工業所
所 在 地:広島市南区大州2丁目15-8
事業内容:管工事業
創  業:1923年11月

(2021年8月現在)

情報提供:広島商工会議所 産業・地域振興部 産業振興課