全国展開する総合建設コンサル
GX推進し脱炭素社会実現へ
復建調査設計株式会社
人材育成の充実、生産性高める新技術導入も
橋や道路、街づくりなどの企画・計画から、測量、調査、設計、維持管理まで一貫して手掛ける、西日本屈指の総合建設コンサルタント。1946年に戦後の国土復興を目指して社団法人として発足して以来、親会社を持たない独立系を貫く。持ち株制度を採用し、社員が自社株を持つことを奨励するとともに、業績に応じて決算賞与を支給するなど、役職員が一体となった経営を続ける。グループの形成・運営にも意欲的で、日本構造橋梁研究所(東京)、第一復建(福岡)など東京から九州まで10社のグループ会社を持ち、グループ全体の従業員数は1000人を超える。航空測量大手のアジア航測(東京)とは資本業務提携の関係にあるほか、ミャンマー、ベトナムに現地法人や合弁会社がある。
豊かな未来社会の実現
長年の技術とノウハウを生かし、社会資本整備や防災、まちづくりなどを通じて国民が安心して暮らせる豊かな未来社会の実現を目指している。21年は、広島市中区のエディオンピースウイング広島周辺エリアの整備事業に参画し、広島城方面と城南通りをまたぐペデストリアンデッキの2橋を含む土木設計を担当した。
防災では、南海トラフ地震等の大規模自然災害に備え、被災後に早期かつ的確に復興計画を策定できるよう「事前復興」の取り組みに注力する。14年には東京大学内に復興デザイン研究体を創設。近年は南海トラフ地震で甚大な被害が想定される愛媛県愛南町をはじめとする地域で事前復興計画策定を支援するなど、事前復興の推進に積極的に取り組む。
まちづくりでは、23年に岐阜県中津川市付知地区で地域伴走型での自動運転の実証実験に取り組むなど、次世代の移動手段のあり方について地域と連携し検討を進めている。
新たな未来社会 創造企業に向けて
23年度からの第13次中期経営計画は「経営ビジョン2030」の第2期として、「確立と創出」をテーマに、新たな成長領域であるGX(グリーン・トランスフォーメーション)やDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進を掲げる。
GX推進では、「洋上風力発電事業の推進」や、「港湾・空港脱炭素化の推進支援」、CO2(二酸化炭素)排出に課金して削減を促す「カーボンプライシング事業の推進」、「脱炭素地域づくりを機とした地域ビジネス創出」の四つのプロジェクトに取り組む。
DX推進では、新入社員向けに関連技術の集中研修や、中堅若手社員によるICT関連業務の技術発表会を実施した。さらに、21年には都市の高精度3次元地形データを活用した「広島駅エリアデジタルツインプロジェクト」を開始。2023年の「建設技術展」の技術展示表彰で審査委員特別賞を受けた。
人材育成の充実や生産性向上の実現へ
中堅・若手社員が中心の社内ワーキングを立ち上げ、生産性向上に取り組んでいる。23年からは業務の生産性向上を目指して、生成AIの活用策に関する検討に乗り出した。
また資格取得支援や国内留学制度、英語研修に加え、大学や研究機関への派遣も実施している。さらに24年には社員が安全に、そして快適に働けるよう作業服をリニューアルした。
会社概要
復建調査設計株式会社
本 社:広島市東区光町2-10-11
設 立:1946年12月
資 本 金:3億円
売 上 高:146億700万円(2023年4月期)
従業員数:681人
事業内容:土木に関する建設コンサルティング、地質・土質調査および測量
T E L:082-506-1811
U R L:https://www.fukken.co.jp/
※2024年9月当時の情報です。