優れた研究開発力を有する
パワートレインメーカー
株式会社オンド
マツダ車のほぼ全てに搭載
1947年、戦前に旧海軍工廠で高い水準の機械技術を身に付けた創業者・榎俊彦が、自らの出身地である倉橋島の音戸町で、当初は主にマツダ向けのボルト・ナットのメーカーとして創業、74年には歯車製造に進出した。現在では、エンジンからの駆動力を車輪へ伝達し車を動かす最も基本的な機能を担う「パワートレイン」部品のメーカーに成長。
中でも、車がカーブでスムーズに曲がるための製品「ディファレンシャルギア」(差動装置)を主力としている。デフギアは、カーブの際の内外輪の進む距離の違いに応じて、自動的に、外側のタイヤは速く、内側のタイヤは遅く回るように調整し、タイヤの滑りや部品への負担を防ぎ、スムーズで安定した走行を可能にする。エンジン、トランスミッションと並び、主要な駆動系部品を構成しており、もし不具合があれば人命に関わる重大な事故につながる危険性もある最重要部品の一つにもかかわらず、外からは全く見えない位置に搭載されていることから一般への知名度は決して高くない。また、タイヤやライトのようにすぐに交換できる部品ではなく、一旦搭載されると廃車になるまで何十年、何十万㌔走っても基本的には交換しない前提の部品であり、極めて高い耐久性が要求される。そのため、求められる強度を満たしているかを検証する耐久試験を独自に実施。以前は10万㌔ほどだったが、現在は30万㌔保証という強度を求められ、寿命や最大許容負荷を予測するため、部品が壊れるまで検証を続ける。またデフギアのサイズや表面強度、滑らかさなども数ミクロン(1㍉㍍の1/1000)単位での精緻さが要求される。強度や耐久性は形状や材質、寸法などで大きく左右されるため、ギアの歯型は大きな財産だ。
デフギアを含む自動車の主要部品は完成車メーカーが設計し、サプライヤーは既に描き上げられた図面通りに製造するのが通常であるが、同社は独自の開発部門を自社で有しており、設計から試験、量産まで一貫して行えるのが特徴で、高い技術力を生かし、独自の歯形を開発。2013年には「第5回ものづくり日本大賞 特別賞」を受け、高強度化と小型軽量化に成功し、二酸化炭素の排出量低減にも貢献。現在では、マツダ車のほぼ全てに同社のデフギアが採用されている。
23年6月には、総工費13億円をかけ、技術開発センターを竣工。今後期待される電気自動車(EV)のデフギアはガソリン車とは全く次元の異なる耐久性が要求される。新しい技術開発センターではEV特有の試験もできる装置を新設し、トヨタ初の完全EV車「bZ4X」にも同社の製品が採用された。長年にわたり築き上げてきた完成車メーカーからの強い信頼により新車開発の初期段階から大まかな要求条件が共有され、それに見合うような提案を行い、新車開発の重要な過程に関与できることから〝与えられる仕事ではなく、創り出す仕事〟の面白さがある。
よい人、よい品、よい会社
一方で、創業当時から「よい人、よい品、よい会社」を社是とし、風通しの良い職場環境の整備に注力。例えば、男性社員の育児休暇取得率は73%にのぼり、最長で半年取得の実績がある。男性育休を、仕事の幅を広げ、スキルアップにつなげるチャンスと捉え、社内で全面的にバックアップする体制が整っている。
会社概要
株式会社オンド
本 社:東広島市八本松飯田1-1-1
設 立:1961年9月(創業1947年1月)
資 本 金:9000万円
売 上 高:486億9921万円(2025年5月期)
従業員数:1321人(2025年5月現在)
事業内容:自動車部品の製造
T E L:082-428-2211
U R L:http://www.ondo.co.jp/
※2026年9月当時の情報です。



