高校生がインタビュー:大崎上島の農業
島の仕事図鑑3-4
10.信州からの柑橘農家小池信忠
自然が相手の仕事
成果が目に見えてわかりやすい
お気に入りの農具はスイス製の剪定ばさみ
スカイブルーの軽トラがトレードマーク
スカイブルーの軽トラがトレードマーク
自然が相手の仕事だからこそ、やったらやった分、目に見えて成果につながるところが農業の魅力。農業が思い切りできる環境と、親切な島の人たちとの暮らしに惹かれて移住したと言う信忠さん。来島1年目は選果場の作業員として働きながら、農業の基本を学んだ。その仕事を通じて出会った畑を引き受け農家となった。自分で仕事の量や時間を決めることができることが信忠さんのライフスタイルに合っていると言う。
畑ではみかんとレモンに力を入れている。その他にも10種類ほどの柑橘を育てている信忠さんが、みかん好きの人に伝えたいおいしいみかんの見分け方。ヘタの部分が緑から黄色に色が変わっていれば食べごろ。「みんなに一番おいしい時にみかんを食べてほしい」と笑顔で語る。
11.美容師から農業へ岡田明仁
こころが動いたのは
しいたけづくりだった。
炭火焼のしいたけに醤油をたらして食べると絶品
しいたけづくりがなければUターンしていなかった
しいたけづくりがなければUターンしていなかった
島にUターンした明仁さん。以前、島でしいたけづくりの仕事に就いたことがきっかけだった。都心で美容師をしていた明仁さんは、美容師として独立開業に悩んだが、結婚して家族ができたとき、もう一度農業に心が動いたのは自然な流れだった。職場では、中国やベトナムから来ている実習生の人たちとも一緒に働いている。言葉や文化の違いがあり、仕事の仕方を伝えるのは一筋縄ではいかないが、大切なのは仕事に取り組む姿勢。自分の働く姿を見てもらいながら日々の仕事に取り組んでいると言う。ハウスでのしいたけづくりは毎日の湿度と温度管理が重要。今やるべきことを常に考え、手間をかけて、おいしいものを作ることが仕事のやりがい。そんな姿勢に会社は大きな期待をしている。
12.半自給自足光野郁江
自分で食べるものは
自分でつくる
軍手、長靴、鍬があれば何でもできる
地球と呼吸を合わせる生活を目指す
地球と呼吸を合わせる生活を目指す
憧れの半農半Xの暮らしを島で実践している郁江さん。都心で働いていた郁江さんは、効率だけが求められる働き方と暮らし方に疑問を抱いた。食べるものは自分で作りたい、そこに暮らしの重きを置きたいと考え、農のある生活を求め島への移住を決めた。月の半分は福祉関係の仕事に就き、残りの半分は畑を耕し農業を行っている。こだわりは自然農法。たくさん作らなくても良いから、その分、作物を育てることに対して手間隙をかける。
季節の野菜はもちろん、小麦や大豆など、まわりの人があまり作らないものも一緒に育てている。パンが好きという理由もあるが、島のおすそわけ文化では、他の人が作らない作物を育てていると、ご近所さんからも喜ばれて嬉しいと言う。作物を育てながら、自然と向き合い、目の前のことに集中できる島の環境は、とても居心地が良いと語る。
島の仕事図鑑3 目次
【1】文田秀也さん・文田真弓さん/岩﨑亜紀さん/中原伸悟さん・中原幸太さん 【2】西田秀夫さん・西田裕輝さん/横本正樹さん・横本悠樹さん/榎本一史さん
【3】齋藤健司さん・齋藤燕希さん/朝山裕児さん/成定裕司さん 【4】小池信忠さん/岡田明仁さん/光野郁江さん
【5】若手を見守る匠河田忠宏さん/松岡清士さん/金原邦也さん・金原英香さん