運送業の国内大手
EC物流にも参入

福山通運株式会社

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SDGs+ESで企業価値を高める

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 東証プライム上場の運送国内大手で、国内外400カ所の配送拠点と1万6000台のトラックを有する。連結子会社45、非連結1、関連6社のグループを束ね、幅広い物流網を構築。企業間物流を軸に売り上げの約9割を占める運送事業を中心に、荷主企業に代わって物流業務全般を請け負う3PLなどの流通加工事業、輸入貨物の国際事業などを展開する。また、創業以来、たゆまぬ創意と工夫で物流フロンティアを先駆し続けることを経営理念とし、常に親切・丁寧・迅速な輸送サービスを提供している。
 幹線輸送の効率化では、他社に先駆けた取り組みが多い。トラックに代わって大量輸送を実現する専用ブロックトレイン「福山レールエクスプレス号」や、大型トラック約2台分の貨物を1台で運ぶ「25㍍ダブル連結トラック」などを導入。人手不足や労働環境の改善を図る。

EC物流に参入

 22年9月、日本郵便(東京)と運送業務委託契約を締結し、EC(電子商取引)荷物の取り扱いを始めた。全国から集荷した荷物を法人向けと個人向けに振り分け、法人向けは通常の荷物と同様に配達。個人向けは東京と大阪の主管支店に集約した後、その先の配達業務を日本郵便に委託する。荷物の発送時は、福山通運の出荷ラベル発行ソフト「iSTAR―2」で、両社が使える専用荷札を発行し、荷主の利便性を高めた。今後もEC市場の拡大を見越して、引き渡し拠点を拡充するなど輸送の効率化を推進し、顧客のニーズに対応していく。

持続可能な社会の実現

 21年度からの3カ年中期経営計画「Challenge,Change2023」では、環境、社会、企業統治に従業員満足を加えたESG+ESを中核に、企業価値の向上を図る。
「環境分野」では、23 年4月に東京都内の配送業務に水素燃料電池トラックを導入した。29年度までにバッテリー式電動トラックなども相次ぎ導入する予定で、カーボンニュートラル実現に取り組む。
「社会事業」は、安全・安心で豊かな社会づくりに貢献。広島大学と職業運転手の居眠り運転予防などに関する寄付講座の設置や、国交省が推進する安全性優良事業所の認定制度Gマークの取得を推進している。
「企業統治」を徹底するために、内部監査を強化。23年5月には、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を新しく設置した。

働きやすい職場づくり

 創業者の故渋谷昇は「完全な経営者とは、まず従業員を幸福にし、その企業を永久に繁栄させなければならないという義務を負わされており、また、その責任は常に全うしなければならない」と宣言し、働きやすい職場づくりに注力してきた。
 同業他社に先駆けて日曜日の集荷や配達を中止し、完全休業日とした。年次有給休暇は半日単位で取得できる「メモリアル休暇」を導入し、ワークライフバランスの充実を後押しする。会社の制度以外にも、従業員と会社が運営して福利厚生を図る共済会も整備。法改正でトラック運転手の人材不足などが懸念される「2024年問題」が話題になる前から、雇用環境改善に取り組み、今も創業者の意思を受け継いでいる。



会社概要

福山通運株式会社
本  社:福山市東深津町4-20-1
設  立:1948年9月
資 本 金:303億1045万円
売 上 高:2933億5800万円(23年3月期)
従業員数:2万1743人(23年3月現在)
事業内容:貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、自動車整備事業、倉庫業、荷造梱包業、港湾荷役業、通関業ほか
T E L:084-924-2000
U R L:https://corp.fukutsu.co.jp/
※2023年9月当時の情報です。