業務用洗濯機の山本製作所 海外好調、売上最高60億円へ

山本製作所

尾道山波町で輸出品の新工場に着手

 業務用洗濯機メーカーで国内トップ級の山本製作所(尾道市長者原、山本尚平社長)は2024年12月期決算で海外販売がけん引し、前年比11%増で過去最高の売り上げ約60億円を見込む。同社製品は現在22カ国で使われ、洗濯機と乾燥機を製造する国内企業で唯一、北米での認証「UL規格」を取得。今後も海外販売を強化し、28年に同100億円、従業員300人体制を目指す。

 これまで乾燥機は台湾などのアジア圏での販売にとどまっていたが、米国向けに乾燥機付き洗濯機を開発。来春に発売を予定しており、ホテルや医療施設に販売していく。ヨーロッパでも拡大し、5年以内に海外の売上高比率を50%にまで引き上げる方針だ。
 売上高100億円達成を見据え、海外向け乾燥機の新工場「新山波工場」開設に着手。敷地面積4991平方㍍に、2848平方㍍の建物を3年以内に着工する予定で、板金から溶接、組み立て、塗装までを一貫体制で行う。同社ではTPS(トヨタ生産方式)を導入しており、そこで培ったノウハウを新工場にも生かす。
さらに、新山波工場に先立って、同工場の隣接地に新塗装工場を25年1月に稼働予定。下地処理から塗装、補正、仕上げまでを完全自動化した。現在、塗装は約50%を外注しているが、同工場の完成によりほぼすべてを内製化できるようになる。下地処理の段階から内製化することで細部までチェックでき、品質向上につながるという。
 こうした海外の積極的な販路開拓が評価され、中小企業庁「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選出され、23年度の「海外展開」部門の最優秀企業となった。

「広島経済レポート」2024年11月21日号掲載記事より