「プラスチック」を作る機械で発展
成長を牽引する100年超の広島拠点
株式会社日本製鋼所 広島製作所
次なる時代へ進化を続ける工場
約34万平方㍍(マツダスタジアムの約7個分)という広大な敷地を有し、プラスチック分野を中心とした一般産業用機械を製造する広島製作所。世界有数の総合樹脂機械メーカーとして全社売り上げの半数を占める主要拠点である。海外向け製品も多数製造し、活躍フィールドは世界に渡る。このほか創業時からの知見を生かし防衛関連機器製造も担う。
時代の求める機械や素材を開発し、それを社会実装することで社会課題の解決に貢献し続けるという思いを込め〝Material Revolution〟(材料革命)をパーパスに掲げる。近年では環境負荷に配慮した新工場建設による工場再編を進め、延べ床面積6000平方㍍以上の規模の大型工場を複数新築するなど製造体制の強化と、持続可能な成長を目指している。これらの取り組みで、2028年度には3800億円、33年度には5000億円の全社売上高を目指す。
1920年に広島製作所が発足
日本製鋼所は1907年に北海道室蘭で兵器の国産化を目的に創業。第1次世界大戦後の軍備拡張計画に伴って、20年に広島製作所が発足した。第2次世界大戦後は、軍需製品で培った技術力を生かし、鉄鋼製品、産業機械製品などを手掛けてきた。
プラスチック製品の製造・加工機械で社会課題を解決
戦前から継承された独自技術を生かし、あらゆる産業用機械を生み出してきた。中でも代表的な機械が、プラ製品の材料となる樹脂ペレットを作り出す「造粒機」と金型に樹脂を流し込みプラ製品を完成させる「射出成形機」。オーダーメイドで製造される造粒機は、1時間あたり最大125㌧もの材料を生産し、化学・材料メーカーなどで活躍する。射出成形機は、家電製品や自動車の部品など人々の身近にあるプラ製品を作るのに欠かせない。これらの機械を開発、設計、製造、組立、試運転、アフターサービスまで一貫するのが強み。
このほか、使用済みプラスチックを熱分解し原料へと戻すケミカルリサイクル設備や、軽量で高強度なマグネシウム合金の射出成形機も手掛ける。これら機械の設計・製造を通じて、社会課題の解決、環境負荷の低減に貢献している。
社員が安心して働ける職場づくり
二宮俊幸広島製作所長は、「明るく元気で力強い広島製作所」をスローガンに掲げ、コミュニケーション豊かで心理的安全性の高い職場風土の醸成を進める。
2021年に竣工した新社屋にはキャッシュレスで利用できる食堂やカフェテリアを導入、さらにはアクアリウムを設置するなど、社員がリラックスでき、それぞれの能力を最大限発揮できる環境整備に取り組んでいる。また、教育と福利厚生にも力を入れる。教育では、2カ月間の新入社員教育に加え、各年齢層に応じたさまざまな研修を実施することで、社員の継続的なスキルアップを支援。福利厚生では、近年独身寮・社宅を全面的に建て替えた。これにより快適な住空間、充実した設備となり、新生活をしっかりサポートする環境が整った。職場からのアクセスも抜群であり、多くの社員が利用している。
会社概要
株式会社日本製鋼所 広島製作所
本 社:広島市安芸区船越南1-6-1
設 立:1920年
資 本 金:197億9900万円
売 上 高:1303億9300万円(25年3月期)
従業員数:約2600人(25年3月現在)
事業内容:造粒機、射出成形機、マグネシウム射出成形機など産業機械、防衛関連機器の製造・販売
T E L:082-822-3181
U R L:https://www.jsw.co.jp/ja/
※2025年9月当時の情報です。