設計から製造まで
ワンストップで対応

働く環境と福利厚生の充実に力

　自動車産業を中心に、メーカーが大量生産をする上で用いる工業用模型や検査用治具、デザインサンプルを製造。１９８５年に３人の職人が集まり、鋳型をつくるための木型製作で創業した。木が材料の主流の中、異なる素材をいち早く取り入れたほか、手作業の一部工程のデジタル化も推進。デジタルとアナログの両方の長所を生かし、高品質な製品を生産する。設計から製造までをワンストップで対応し、単品受注生産のため毎回違うものをつくる難しさの反面、一つ一つに達成感と面白さがある。

　今津正彦社長は「例えば、マンホールや門扉、路面電車のレールなどをつくるための鋳造用模型製造部門では、似たものをつくった経験を生かし、自分で材料や工程を考えて完成させる達成感が味わえます。どの業務も業界内でオンリーワンやナンバーワンではありませんが、一つの仕事量が減っても他で補うことで、強い経営環境を整え創業以来、黒字経営を継続。業務内容は技術系ですが、文系出身者が約６割です。ものづくりが好きで前向きに仕事に取り組めば、１年後には製作工程の８割ができるまでに成長できます」

　働く環境と福利厚生の充実にも力を入れる。２０２０年に本社棟を新設し、１階は自動車開発スタジオ、２・３階に「ＯＮ＆ＯＦＦ」をコンセプトとしたオフィスやミーティングエリア、テラスを設置。社員の健康促進へ、置き型社食に加え、いつでも利用できるフィットネス機器のほか、カジュアルミーティングのための空間や、ランチスペースなどを備える。21年には完全週休２日制に移行。仕事を計画的に進められるよう社員が次年度の休暇をあらかじめ申告する計画有休制度もある。「仕事と家庭の両立支援企業」登録に加え、「働き方改革推進社内キーパーソン養成セミナー」も修了した。関わりが少ない他部署の社員との交流を図る社内活動にも取り組む。「立地は不利だが、毎年数人の新卒者を採用している。ノー残業デーのほか、育児休暇の取得推進のための行動計画も策定。22年には双子の誕生で３カ月育児に専念した男性社員など、育児休暇取得率は１００％です。効率アップで『仕事に忠実、私事は充実』の組織を目指したい」

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