高校生がインタビュー:大崎上島の農業
島の仕事図鑑3-2
04.家業の伝承西田秀夫・西田裕輝
親から子へ受け継ぐ
農業の夢と可能性
春は40種類以上の苗を育てる島の苗屋さん
お気に入りの道具それは自分の指
お気に入りの道具それは自分の指
トマト農家の西田親子。息子の裕輝さんは、学校給食や地元の朝市などで、畑でとれたものを島の人たちに食べてもらうことが何より嬉しいと言う。仕事は気の持ちよう、自分次第で楽しくもつまらなくもなる。父の秀夫さんは農家こそ情報を早く取り入れないといけないと言う。実際、ハウス栽培やメロンなどを島で初めて取り入れた先駆者でもある。みかん農家から野菜農家への転換はそれがきっかけだった。やりがいは一番ええものが出来た時。畑でとれたものを出荷せずにずっと眺めていたいと言う。畑を愛する秀夫さんだが、その昔、息子の野球の試合を応援するために、きゅうりの栽培をやめて時間をつくったこともある。畑の周りに年々広がる耕作放棄地をなんとかせんと、と危機感を強める裕輝さん。親から子へ受け継ぐ家業には「想い」が溢れている。
05.ブルーベリー開拓者横本正樹・横本悠樹
春になって、芽吹いて、花がなる
季節と共にある仕事
おいしい物を食べると心が優しくなる
毎月収穫するものがあるから毎月の喜びがある
毎月収穫するものがあるから毎月の喜びがある
父、正樹さんが40年前に始めたブルーベリー栽培。西日本の先進地としてこの島で始まり、今では多くの農家が栽培をしている。冬場に出荷のピークを迎える柑橘農家にとって、夏場に出荷できるブルーベリーはとても重宝されるようになった。実際、息子の悠樹さんも夏はブルーベリー、冬は柑橘の収穫をしている。正樹さんから農事組合法人を受け継ぎ、これからの農業を考える悠樹さん。農業は自然が相手であり、成果は自分次第というところに悠樹さんは魅力を感じている。収穫は1年に1度、その年の天候等によって毎年違う結果となる。決まった正解がないという厳しさはあるが、それ以上に人間の基礎となる「食」に携わることができるやりがいのある仕事だと教えてくれた。島の自慢のブルーベリーは目に良いとされるアントシアニン含有量が日本一。仕事に誇りを持つその表情は力強い。
06.独立を目指す榎本一史
若きリーダーがつくりあげる
信頼のトマト
「おいしかったよ」の一言が一番嬉しい
社長の若き右腕
社長の若き右腕
一史さんのつくるトマトは、大手ファーストフードやコンビニでも使用されている。大手チェーンも信頼する自慢のトマト。一史さんは、島へUターンし、農業を主体とする株式会社へ就職。学生時代のアルバイトがきっかけだったと言う。弱冠25歳で若い世代のリーダーとして現場を任されている一史さん。作業の手順に対して、なぜやるのか、どうしてこの作業が必要なのかを必ず説明している。そんな丁寧な仕事ぶりが評価されている。島の好きなところは人情が厚いところ。島の一体感がたまらなく好きだという。どこのスーパーに入ってもトマトとみかんを自然と手にとったり、見知らぬ土地でハウスの中を覗いたりしてしまうと言う。どこに居ても学ぶことを忘れない。将来は独立して、自分の理想とする農業を追求したいと熱く語る。
島の仕事図鑑3 目次
【1】文田秀也さん・文田真弓さん/岩﨑亜紀さん/中原伸悟さん・中原幸太さん
【2】西田秀夫さん・西田裕輝さん/横本正樹さん・横本悠樹さん/榎本一史さん
【3】齋藤健司さん・齋藤燕希さん/朝山裕児さん/成定裕司さん
【4】小池信忠さん/岡田明仁さん/光野郁江さん
【5】若手を見守る匠河田忠宏さん/松岡清士さん/金原邦也さん・金原英香さん