家電などの体験型施設で消費促す
観光振興を聞く4
エディオン 営業戦略統括部インバウンド営業 寒河江勤 氏
2019年6月に「エディオンなんば本店」を開き、7月には広島本店を全面リニューアルオープンしたエディオン。家電などの体験を充実させ、欧米やアジアからの客を多く誘致している。訪日外国人観光客(インバウンド)の認知向上に向けたプロモーションや店づくりについて聞いた。
-外国人向けPRについて。 以前より、広島本店や東京のAKIBAなど、インバウンドへの対応を行ってきたが、本格的に取り組み始めたのは約5年前から。過去5年で外国人観光客の購買は20倍以上増えています。看板やポップ、スタッフの言語対応により利便性を高め、ブロガーやユーチューバーといったインフルエンサーによる情報拡散で周知を図っています。
店舗名「エディオン」は、中国語表記では「愛電王」としています。発音も似ており、文字からも発音からも当店を連想できるため浸透しやすいと思っています。
外国人観光客が東京から新幹線で広島に来るとき、岡山駅を通過した際に、特定のアプリをダウンロードした観光客のスマートフォンにプッシュ通知を送り、誘客につなげています。また、店舗を中心に半径1㌔圏内に入ると当店のお得情報やクーポンを通知するなど、当店の存在を知らない人たちの来店チャンスも狙っています。
-消費を促すには。 時計やエステ商品、ドライヤー、炊飯器など、ニーズに合わせて品をそろえています。さらにはキャッシュレスで支払いを簡単に、処理時間を短く、お待たせしない店づくりをしています。外国人観光客の9割以上、中国の方はほぼ100%がスマホを通じたキャッシュレス決済を使っています。当社では、それぞれの国のアプリに対応しています。
エディオンなんば本店は、最新家電とアミューズメントを融合させました。日本文化として外国の方に認知が高く親しみやすい忍者屋敷を設け、脱出ゲームといった体験で来店された方に楽しんでいただいています。忍者グッズも人気です。こうした体験を外国人観光客がSNSなどで発信することで、さらなる認知向上につながっています。今後も楽しんでいただけるコンテンツを生んでいきたい。
【プロフィール】
2009年にエディオンに入社。インバウンド需要の多いエディオンAKIBAなどを経て、14年から営業戦略統括部インバウンド営業担当。