広島の魅力アップへ
コンテンツ開発・他県連携
これからの観光を聞く
県観光連盟チーフプロデューサー 山邊昌太郎氏
AIカメラを使い、平和記念資料館や宮島などの混雑状況の「見える化」を進めています。また、本年度に県の補正予算を基に11億円をかけ、宿泊施設、飲食店などに対しコロナ対策を含む受け入れ環境のデジタル化に伴う費用などを補助します。
-広島の観光の課題は。宮島と原爆ドーム以外のコンテンツを充実させるべき。近年はSNSなどの影響で観光客の趣味嗜好が多様化していますから、100万人が熱狂する場所一つよりも、1万人が熱狂する場所を100個つくりたい。HITでは昨年12月にウェブサイト「新しい非日常」を開き、「癒やされる」、「冒険する」などのカテゴリーごとにストーリー仕立てで観光プランを紹介。ターゲットを絞ったコンテンツ開発に注力しています。専任担当者を置き、コンテンツ開発を目指す事業者の支援もしています。
-ゆるやかな観光大使を始めましたね。年齢・職業・出身地などを問わず誰でもなれる新しいタイプの制度。県民だけでなく、観光客などみんなに広島のファンになってもらう狙いがあります。広島に関わる人を増やし、一人でも多くの方の旅行先候補に入りたい。ちなみに大使第1号は小学5年生です。コロナ後を見据え、県民にも当事者になってもらいたいと、ビジョンムービーもつくりました。広島の魅力や可能性を旅人の目線で紹介するもので、ユーチューブで公開。より魅力的な観光地となるために何ができるか共に考え、力を合わせていくきっかけになればうれしい。全員で同じ方向を向き、訪れた方を感動レベルまで満足させたい。
-今後の取り組みについて。先日、中国4県の観光トップと面談し、一層の連携で合意。お客さまに行政区分は関係ありません。例えば、酒は西条だけでなく、竹原や呉、島根や山口でも楽しめる。他にも城めぐりなど、県の枠を超えて提案することで満足度を極大化できる。大阪や京都とも連携を深めたいですね。
【プロフィール】
安佐南区出身。リクルートで就職関連情報誌の編集長などを務め、2008年に独立。16年からカルビーフューチャーラボ統括。20年4月から現職。