「デジタル×伴走」で販路拡大へ
部署横断型支援で企業成長促す
ひろしま産業振興機構
地方の中小企業が持続的な成長を遂げるためには、国内市場に留まらない販路拡大が不可欠だ。しかし、人手不足等のリソースの制約から、多くの企業がその一歩を踏み出せずにいる。(公財)ひろしま産業振興機構(産振構)は、こうした企業の課題に対し、デジタルマーケティングと組織間の緊密な連携を核とした、新たな支援の枠組みを構築しようとしている。
デジタルコンテンツで営業強化 今後の支援において産振構が特に注力するのが、企業の持つ独自の技術や強みをデジタル上で可視化する「デジタルコンテンツ」の活用だ。
多くの中小企業では、社長自らが営業を担っていることも多いが、その活動範囲には物理的な限界がある。展示会などでの商談時間はわずか20分から30分程度で、自社の強みを十分に伝えきることは容易ではない。そこで産振構は、工場の様子や技術を魅力的なデジタルコンテンツとして整備し、ウェブ上に配置する支援を展開する。
これにより、自社のウェブサイトが「24時間休まず働く営業担当」となり、国内外の潜在顧客からの問い合わせを誘発する。単にサイトを整えるだけでなく、どの国や業種からアクセスがあるかを分析するウェブマーケティングの手法を導入することで、勘や経験に頼らない、データに基づいた戦略的な販路拡大が可能になるのだ。
産振構内部でも、大きな意識改革が進んでいる。これまでは各センターが「縦割り」で事業を推進してきたが、現在は「企業をどう支援すべきか」という顧客視点に立ち、センターの枠を越えた「一貫した支援(シームレスな支援)」への転換を図っている。
例えば、研究開発の段階から将来の販路拡大を見据え、企業支援統括や、企業の研究開発を支援する開発担当など5部署が連携できる体制となるようセンターを同一フロアに集約した。これにより、製品開発の初期段階から市場性を考慮したアドバイスを行うなど、組織を挙げた多角的なサポートが可能となっている。企業の相談内容に応じて最適なリソースへとつなぐ「ハブ」としての機能を高めていく。また、産振構のリソースだけでなく、ジェトロや中小機構のような外部機関とも協力し、最適なソリューションを提供することを目指している。
次世代のリーダー企業、いわゆる「100億企業」のネクストリーダー育成にも力を入れる。社長や幹部を交えた定期的なヒアリングを通じて個々の企業の課題を深く掘り下げ、それぞれのフェーズに合わせた成長戦略を描く。
「海外ビジネスを独立した一つの事業として捉えるのではなく、企業の成長サイクルの中に当然組み込まれるべきものとして位置づけたい」と長谷川充常務理事は話す。デジタルを活用して営業力を補強し、国内・海外の垣根なく「売れる仕組み」を構築していく。
時代に合わせて支援の形を柔軟に変容させ、企業の足腰を強くする。「デジタル×伴走」で地元の中小企業の成長を促していく。
■ 公益財団法人 ひろしま産業振興機構 国際ビジネス支援センター
会員数:266
県内企業の国際ビジネスを総合的に支援することで、県内産業のグローバル化を促進し、県内産業の発展を図っている。
〒730-0052 広島市中区千田町3-7-47 広島県情報プラザ内
TEL:082-248-1400





