M&Aで店舗網を拡大
地域のかかりつけ薬局へ

株式会社MSファーマシー

動画をリクエストする

  • 株式会社MSファーマシー
  • 株式会社MSファーマシー
  • 株式会社MSファーマシー
  • 株式会社MSファーマシー
  • 株式会社MSファーマシー
  • 株式会社MSファーマシー

 2018年10月、承継開業仲介業者を通じ、「舟入南薬局(旧くらかけ薬局)」の経営権を引き継いだ宮本社長が設立した。以来、同業の事業承継を受けるなどで店舗網を拡充。国が進める薬局の「門前からかかりつけ・地域へ」の方針を受け、薬局名は地域を冠した名称に統一する。「挨拶」「笑顔」「感謝」を重要理念とし、「みんな幸せ」、「身近な相談場所」、「未来創造」を根底に置いている。25年7月現在、9店舗を運営している。
 宮本社長は漢方など中国の伝統医学の「国際中医師」に加え、薬剤師生涯学習支援システムで「JPALSレベル6」を取得。これらを生かして、薬局製剤を製造し直接販売できる「薬局製造業・薬局製造販売業」の許可を取得するなど、処方箋調剤以外で薬剤師としてできることを実行している。当面は無添加である保湿クリーム「舟入南薬局UHクリーム」を取り扱っている。
 今後の医療改正・報酬改定の動向により、漢方薬の提案にも力を入れていく方針。漢方薬は体質に合わなければ効果が期待しにくく、一個人では判断が非常に難しい。それらをサポートできるよう「薬局製剤専門薬局」の開業を将来的な目標に置いている。すでに準備は整いつつあり、時代の流れに応じ、時期が来た時に開業を目指している。

薬剤師向け書籍・啓発本を出版

 書籍「薬剤師に求められる 大切なこと入門編、管理職編」をザメディアジョンから出版。薬剤師向けの啓発本はあまりなく、現場で学ぶのが常識だったが、配属先によってはなかなか成長の機会を得られないという。個人経営から大規模までさまざまな薬局での勤務経験を持つ宮本社長が、立場に応じた必要なスキル、陥りやすい注意点などを丁寧に解説し読みやすい形で執筆した。「入門編」では大手と小・中規模店舗の雰囲気の違いや薬剤師に必要なコミュニケーション能力、患者の前でやってはいけないことなどを、「管理職編」では〝薬局はサービス業〟という意識改革の必要性や人材育成法などをまとめた。現場では教えられない項目や自身が経験や苦労した内容を盛り込んでいる。

地域住民かかりつけ薬局を目指して

 医療機関や薬局は23年4月からオンライン資格確認導入が原則として義務付けられたが、経営者の高齢化などで対応が難しい経営者もいるという。同社はIT・情報管理部を創設し、業務を効率化。機械でできることは機械に、人にしかできない事は人にとそれぞれの強みを生かし、それらをよりアップデートしていくことで、日々改善、日々成長を促す。それによりマンネリ化の防止、変化への対応能力の向上、モチベーションの向上を見込んでいる。
 宮本社長は「今後、再診なく繰り返し使えるリフィル処方せんの本格化、電子処方箋への移行などで、自宅や勤務地近くの薬局を利用することが増えてくる。そのため、『より入りやすく』、『入って安心する』、『また来よう』と思っていただけるような環境や対応に力を入れている。また、薬局空白地に店舗を出店することで、近所に薬局があって良かった、いつでも相談できて安心と思っていただける場所になることを目標に拡大を続ける。それに付随し経営基盤の強化を図り、その地域になくてはならない薬局・会社という存在になることを目指す」とする。



会社概要

株式会社MSファーマシー
本  社:広島市中区舟入南4-16-8
設  立:2018年11月22日
資 本 金:300万円
売 上 高:3億7568万円(2025年3月期)
従業員数:16人(25年3月現在)
事業内容:調剤薬局、介護事業、物販
T E L:082-292-7050
U R L:https://ms-pharmacy.jp/
※2025年9月当時の情報です。