西日本屈指の総合ライセンス企業
ドローン教習など需要拡大見込む

グループで交通と食の安全を追求

高い信頼の自動車学校

　自動車学校の「ロイヤルドライビングスクール」、労働安全衛生教習の「ロイヤルパワーアップスクール」、小型船舶などの「マリンライセンスロイヤル」、ドローン教習として「ロイヤルドローンスクール」を展開する〝総合ライセンスカンパニー〟。2校を運営する自動車学校の年間卒業者数（2022年度）は広島校が約4400人で県内28校中トップ、福山校は約3800人で同3位と、合計で20％以上のシェアを保有。人口減少・コロナによる環境変化や若者を中心とした車離れもあり、県全体での卒業者が前年比で6％減る中においても、同社の減少率は1％未満にとどまっており信頼の高さがうかがえる。19年から順次、よりコンパクトな最新教習車の導入を進めるとともに、21年からはオンライン学科の開始など時代の変化に合わせ柔軟な進化を実現。また教習の満足度を高めるため、県内初の「ほめちぎる教習所」認定も取得している。

100億円企業へ前進

　パワーアップスクールは主に建設現場や工場で働く作業技術者を対象に教習を行っている。県内2校（広島市・福山市）と兵庫、岡山に事務所を構えるほか鳥取にも展開予定など、今後もエリアを拡大していく。また増え続ける外国人労働者向けのコース拡充といった取り組みも加速させ、独自性を向上。実績の面でも年間約2万人の卒業者数、国家資格合格率の両方で全国トップクラスの数値を誇る。
　マリンライセンスは1級、2級の小型船舶免許や特殊小型船舶免許（水上バイクなど）の教習を行う。東京、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡の6拠点を構え、釣りブームなどで高まるマリンスポーツ・レジャー業界の需要獲得を目指す。
　ドローンも成長が見込まれている。需要増加を受けて22年12 月に国家資格制度が開始。ドローンは物流や測量、点検、農業など多様な分野での活躍が期待されており、講習生の増加が予想されている。
　こうした各種取り組みの結果、23年3月期売上高は前年比2・6％増の31億2100万円を計上。目標である「2030年までにグループ売り上げ100億円」に向け歩みを進める。

「安全」が共通価値

　同社が中核の「寺岡企業グループ」は、醤油醸造の寺岡有機醸造（福山市）、農業生産法人の寺岡有機農場（世羅町）という異なる3事業を展開。醤油造りは創業から136年を数え、現在は「寺岡家の醤油」ブランドとして「たまごにかけるお醤油」など幅広い商品をそろえる。
　醤油に必要な大豆や小麦の生産のために設立した農場は、有機JAS法の制定以前から無農薬栽培にこだわっており、現在はほぼ全ての農場で同認証を取得。近年はベビーリーフなどを中心に生産するほか、育てた野菜のペースト加工機を導入して新商品「ベビーリーフカレー」を開発するなど食品分野も強化する。
　自動車など乗り物の教習と、醤油や野菜といった食品、全く別の分野に共通する価値観は「安全」だという。社会生活の維持発展に求められる安全と、日々の暮らしの基礎となる食の安全を追求し、広島にとって不可欠な企業グループを目指す。

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