西日本屈指の総合ライセンス企業
2030年グループ売上高100億円へ

「安全」軸に事業拡大を進める

県内トップの自動車学校

　自動車学校の「ロイヤルドライビングスクール」、労働安全衛生教習の「ロイヤルパワーアップスクール」、小型船舶などの「マリンライセンスロイヤル」、ドローン教習として「ロイヤルドローンスクール」を展開する〝総合ライセンスカンパニー〟。２校を運営する自動車学校の年間卒業者数（２０２３年度、四輪・二輪合計）は広島校が約４３００人で県内28校中トップ、福山校は約３６００人で同３位と合計で20％以上のシェアを誇り、特に自動二輪教習においては40％近くを占める。20年に取得した県内初の「ほめちぎる教習所」認定やオンライン学科授業など、教習生の満足度向上への取り組みが数字に表れている。

需要に応じた多様な教習

　パワーアップスクールは主に建設現場や工場で働く作業技術者を対象に、県内２校（広島市・福山市）と兵庫、岡山、鳥取の事業所で教習を行う。働き手不足などを背景に外国人作業者が増加していることを受け、英語やベトナム語、インドネシア語といった多様な言語に対応した外国人コースを拡充。その結果、年間３万人以上の卒業者数、国家資格合格率の両方で全国トップクラスの実績を残している。
　マリンライセンスは１級、２級の小型船舶免許や特殊小型船舶免許（水上バイクなど）の教習を東京、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡の６拠点で実施。多くのマリーナやボートパークと提携しており、免許取得後のマリンライフまでサポートする体制が特徴だという。
　ドローンも省人化の流れを受けて需要が増えている。物流や農業などなり手の減少が顕著な業界に加え、測量や点検といった分野でも活用が進んでおり、同社では国家資格はもちろん、民間資格の取得カリキュラムも用意する。
　こうした各種取り組みの結果、24年3月期売上高は前年比3.8％増の約32億4000万円を計上。業績は右肩上がりが続く。

規模広げる寺岡グループ

　同社が中核の「寺岡企業グループ」は、醤油醸造の寺岡有機醸造（福山市）、農業生産法人の寺岡有機農場（世羅町）という異なる３事業を展開する。醤油造りは創業から１４０年近くを数え、現在は「寺岡家の醤油」ブランドとして「たまごにかけるお醤油」など幅広い商品をラインアップ。韓国など海外での販路を着々と広げている。
　醤油に必要な大豆や小麦の生産のために設立した農場は、有機ＪＡＳ法の制定以前から無農薬栽培にこだわっており、現在はほぼ全ての農場で同認証を取得。近年はベビーリーフなど葉物野菜を中心に生産する。
　また24年にはロイヤルコーポレーションが、菓子ブランド「旬果瞬菓」などを展開する共楽堂（三原市）と、特産のレンコンを加工販売する広中食品（山口県岩国市）の２社と資本業務提携を実施。共同で商品開発に乗り出すなど、新分野への動きを加速させている。
　乗り物の教習と、醤油や野菜といった食品、全く別の分野に共通する価値は「安全」という。社会生活の維持発展、そして日々の暮らしの基礎となる食を追求し、グループ目標「２０３０年までに売り上げ１００億円」へ挑戦を続ける。

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