「田中学習会」宇品など開校
29期連続で売り上げ最高

ビーシー・イングス

 県内の進学塾大手で「田中学習会」を運営するビーシー・イングス(南区松原町10-23、田中弘樹会長、川隅学社長)は、上場に向けて国際会計基準を導入した2019年11月期決算で、売上高37億6189万円を計上。会計基準変更前に換算すると前年比16・8%増の43億9250万円で、29期連続で最高となる。経常利益は2億1398万円。
 今春新たに宇品校(南区、初年度生徒数94人)、高槻城南校(大阪、同40人)と佐井寺校(同)を開き、計92校となった。前期の生徒数は約1万4000人で、新規3校は数年後に各100~150人を見込む。新型コロナウイルスの影響はあるが、当初の計画通り22年までに100校体制を目指す。
 コロナ禍に伴う休業要請を受け、4月20日から集合授業を休止した。対策として同日、AI教材と動画を活用した自宅学習の仕組みを一斉導入。ゴールデンウイーク明けに双方向のオンライン授業も始める。担任が電話などでこまやかにフォローし、生徒のやる気を引き出すよう努めているという。グループで小学受験の東京学習社(東区光町)は先行して双方向のオンライン授業を開始。
 学校休校分の夏休みへの振り替えで夏季講習短縮などが予想され、今期は減収を余儀なくされそうだが、田中会長は「逆境に塾の新たな可能性を試す。オンライン授業はダブルスクールに向いており、集合授業プラスアルファの選択肢が増える。首都圏でも通じる授業を自負しており、遠方で塾に通いにくい子どもを含めて広く提供するきっかけとしたい」と話す。