安全・快適なカーライフ提案
県内トップクラスの販売実績

　広島県内をエリアとするトヨタ系ディーラーで、新車、中古車、レクサス店など計31店を展開する。他メーカーのディーラーを含め、県内トップクラスの販売実績を誇る。創業から80年にわたり地域に深く根を張り、自動車の販売だけではなく、定期的なメンテナンスや車検の案内など、顧客に安全で快適なカーライフを提供し続けている。
　２０２１年３月に県中央エリアのハブ店である霞店（南区霞）を増床リニューアルオープンし、４月には板金や車検などのバックヤード業務に特化したサービスセンター「ＰｉＶＯＴＡ松永」を福山市松永に開き、営業体制の強化を図った。
　自動車業界は未来技術を指す「ＣＡＳＥ（ケース）」（コネクテッド、自動運転、シェア、電動化）の実用化などを背景に大変革期を迎えている。21年から「カーディーラーの常識を変えていく」という旗印を掲げ、攻めの営業展開を進める。さらなる顧客満足度の向上に向けて策定したスローガン「ＨＩＲＯＳＨＩＭＡ＋（ひろしまプラス）」の下、各店の社員が主導して心地よい店舗づくりや接客技術の向上など、新しい価値の提供を進めている。

ディーラーの常識を変える

　従来と一線を画す店舗・施設の展開を加速する。16年から中区東千田町で運営する交流施設「ＣＬｉＰ　ＨＩＲＯＳＨＩＭＡ」は外観こそディーラーのようだが自動車を売ることはなく、イベントなどで地域開放しこれまでに計15万人以上が来場。西部エリア中核の廿日市店は、同社最大規模でカフェや工作室も併設し、自動車購入に関係のない一般の来店も促す。21年７月にはキャンプ用や業務用など車内装飾のカスタマイズに応じるハイエース専門店を県内で初めて開業し、新たなニーズに応えている。
　23年春には西区三篠町に拡張オープンする「レクサス広島北」の新社屋地下に劇場を併設し、横川エリアの活性化や地域コミュニティーづくりの役割も果たす。同時期に、国内外から多くの観光客が訪れる宮島に近い廿日市市の研修センターを研修所兼宿泊施設に建て替え、完成する計画。自社ユーザーに安く泊まってもらうなど、本業との相乗効果を狙う。
古谷英明社長は、「自動車という軸を変えるつもりはありませんが、未来永劫、車だけを販売しなければならないとは思っていません。カーディーラーという枠を外し、地域のニーズに応え、地域と一緒に成長できる会社を目指します」と語る。

働きやすい職場づくり

　16年からはモータースポーツに参戦。各店の整備士でチーム「広島トヨペットレーシング」を結成し、自動車の楽しさを発信するほか、レースを勝ち上がるには高い整備技術が必要で人材育成にもつなげる。
　働きやすい職場環境づくりにも力を入れる。経営幹部に直接届く要望書を毎年提出し、自身の働き方の要望などを伝えやすくするほか、21年には販売台数による従来の評価制度を見直し、経営理念に基づく制度に全面的に改めた。女性社員が増えており、育児短時間勤務制度を３歳までから小学3年生までに延長するなど制度拡充を進めている。古谷社長は「『感動の提供』と言うときれいごとのようだが、そのきれいごとに全社一丸で真剣に取り組み実現させたい」と意気込む。

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