〝科学の目〟で検査・診断
無線装置開発など技術を磨く
株式会社ウィズソル
大型タンク検査トップシェア、地域貢献活動も
非破壊検査のプロ集団
モノを壊さずに〝科学の目〟で診断する「非破壊検査」のプロ集団ウィズソル。放射線や超音波、磁気など最新技術を駆使して検査・診断し、製品の健全性の確認や保守点検を行っている。検査領域は工場の生産設備(プラント)、発電所、橋梁、トンネルなど幅広く、生活に欠かせない産業・社会インフラを日々、陰ながら支える存在だ。
2023年から掲げるスローガン「果敢に挑む」の下、新装置開発に取り組んでいる。24年に導入した無線型測定装置「UDT-48W」は、従来では装置が入りづらかった場所でも効率的な検査を実現。原油タンクなどの底面の板厚をワイヤレスで測る技術の実用化は国内外で初だという。加えてスムーズかつ安全な放射線検査を行うために医療現場でも使用される機材「イメージングプレート」を活用するほか、ラジコンカーのように地上を走って検査対象を撮影する装置「i-Runner」、飛行中の肉厚測定が可能なドローンなども開発。現場の環境に合わせた最適な検査体制を整えている。
また社員の勤怠管理システム導入により人員配置を適正化し、現場の負担軽減も進める。外輪純久社長は、
「当社はインフラの安定稼働を守る企業として、人手不足や働き方改革といった課題にいち早く対応しないといけません。今後も技術と効率をさらに高め、社会の維持・発展に貢献していきたい」と話す。
DXで信頼を高める
北海道から鹿児島まで約30の事業所を構え、全国で〝検査力〟を発揮。特に屋外にある大型タンクの検査実績ではトップシェアを誇る。またDXも注力分野の一つで、さまざまな顧客の設備・工事データや検査結果などを結び付け、電子化することで作業効率と信頼性を向上させたいとする。メインの非破壊検査に加え「熱処理工事」「設備診断」「技術者派遣」といった事業も手掛け、多くの設備の安全を守っている。
〝人財〟育成にも注力
60年以上にわたって築き上げた技術への信頼は業績にも表れており、24年3月期の売上高は3年連続で過去最高を更新する76億1900万円を計上。大台となる100億円に向けた歩みを進める。「企業の成長に最も必要なのは〝人財〟です。業務に必要な資格取得教育はもちろん、新入社員であればまず社会人としての基礎能力を習得。リーダーとなる層は管理者養成などの研修を受け、あらゆる場面で活躍できる力を身に付けています」
地域との関わりも重要視し、22年度からSDGs活動の一環として、本社の隣にある小学校と連携している。6年生の総合的な学習の中で、社会と地域を明るく元気にする方法を共同で検討。学校と社屋をつなぐ通学路を鉢植えの花で彩る「フラワーロード」活動を2年連続で実施した。育てた花は地域への感謝も込めて住民に贈るなど活性化につなげている。また児童にはキャリア教育の一環として、ドローンのデモ飛行や撮影協力したテレビ番組などを通じて自社の業務内容を伝えたという。
大規模設備から地域貢献まで規模を問わず、社会の中での役割を果たすウィズソル。そこにはブランドビジョンの「守るを、ともに。」と「利他の心」の精神が息づいている。
会社概要
株式会社ウィズソル
本 社:広島市西区南観音6-2-13
設 立:1961年2月
資 本 金:3000万円
売 上 高:76億1900万円(2024年3月期)
従業員数:470人(2024年4月現在)
事業内容:非破壊検査、熱処理工事、設備診断、技術者派遣
T E L:082-291-2500
U R L:https://www.withsol.co.jp/
※2024年9月当時の情報です。