〝創建ブランド〟で累計7300棟超
東広島の複合施設「Ｌ/Ｃ」で暮らしの総合提案に注力

　１９８５年に創業し、これまで７３００棟を超える注文住宅を手掛けてきた創建ホーム。顧客ニーズが多様化する中、近年は「ハウスから、ライフへ」を掲げ、単に住まいを提供するだけでなく、顧客一人一人のライフスタイルの充実に向けた取り組みを進めている。
　その一つが、２０２１年に東広島に開設した複合型コミュニティー施設「ＬＩＦＥ＆ＣＵＬＴＵＲＥ ＭＡＲＫＥＴ Ｌ／Ｃ（エルシー）」だ。注文住宅やリフォーム、エクステリアのショールームに加え、家具のセレクトショップなどを構えて暮らしに関する総合的な提案に注力する。このほか、陶芸教室や資産運用セミナー、雑貨のポップアップストアなど、住宅関連にとどまらない催しを定期的に開き、顧客との接点作りを強めている。
　山本慎社長は、「多彩なイベントを通じて、『ここに来れば新しい学びや出会いがある』という付加価値を訴求しています。県央で人口が増える東広島を重要拠点に位置付け、竹原の本社から本部機能も移しました。働きやすい環境を整えることで、優秀な人材の確保にもつなげたい」と話す。

オーダーメードで思いを形に

　主力の注文住宅は、旗艦ブランド「ＧＩＡＺＯ（ジアゾ）」のモデルハウスを広島、東広島、福山の住宅展示場にオープン。書斎スペースやランドリールームを設けて家事のしやすさをＰＲし、全館空調を備えて快適性も高めた。少子化や核家族化で注目が集まる平屋にも力を入れており、広い用地を確保しやすい三原と東広島に加えて、24年春には福山、安佐南区にも平屋のモデルハウスを開いた。山本社長は、「住宅性能を高めた構造や、趣味や家族とのつながりに重点を置いた間取りなど、顧客の要望は年々、変化しています。こうしたニーズを商品づくりに反映させるため、23年度に本部や各支店に商品開発チームを発足。これからもオーダーメードで顧客の思いを形にする提案に磨きを掛けていきます」と意気込む。

リフォーム・非住宅にも力

　今後はリフォームと非住宅分野も伸ばす方針だ。リフォームは21年に「創建リフォーム」ブランドをスタート。東広島や広島に加え、12月に移転新築した竹原の新本社に店舗を構えて需要を掘り起こす。空き家対策や中古住宅の買取再販などの領域にも挑戦したいとし、26年までに現在の売り上げ10億円を２倍に引き上げる計画だ。さらに、瀬戸内ゴルフリゾート（竹原）のヴィラ形式の宿泊施設７棟に加え、尾道のホテルなどの非住宅案件を受注しており、堅調に推移する。

より強固な組織へ

　県内の同業に先駆けてＳＮＳを活用したデジタルマーケティングやブランディングを積極的に進めている。コロナ禍で住宅展示場の集客が落ち込んだ同業が多い中、同社は増収増益を達成。社内のＤＸにも取り組んでおり、展示場のイベントなどで取得した顧客データを集計するだけでなく、分析して提案営業に生かす体制づくりに力を注いでいる。
「これまで30年以上続けて新卒採用に取り組んでおり、今後はこうした社員を幹部に育て、より強固な組織にしていく。長年培った良い風土を大切にしながら、時代のニーズに合わせて変わる勇気を持ち、これからも全社一丸でさまざまなことに挑戦していきます」

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