内面研削盤累計1万台超え、国内トップシェア
医療機器のコーティングに新事業展開

トーヨーエイテック株式会社

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 マツダの工作機械部門として1929年に研削盤を製造したのが始まり。1989年にトーヨーエイテックとして分社・独立。工作機械、自動車部品、表面処理の3分野で事業展開している。
 工作機械事業は、特に内面研削盤の評価が高く、「内研のTOYO」として広く知られている。40年に内面研削盤の国産化第1号機を開発。以来、2006年には日本で初めて生産累計1万台を超え、国内でトップシェアを誇る。主力の内面研削盤以外にも、スクロール加工機、ホーニング盤などを生産しており、工作機械事業の売上は100~200億円の規模となっている。近年では半導体市場の活況により、半導体用のワイヤソーも伸長。顧客はマツダ、日産、ホンダなどの自動車メーカー、NTNなどのベアリングメーカー、パナソニック、日立などの家電メーカーがメイン。国内に加え、中国、韓国、台湾、米国ほか、近年はタイ、インドネシア、メキシコへの出荷が増えている。17年10月には上海の駐在事務所を拡充。18年4月にはタイの現地法人と提携し、タイとマレーシアでの工作機械のサービス業務を強化した。
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東広島工場でオイルポンプ製造

 自動車部品事業は、1985年に参入し、AT用オイルポンプを生産している。2002年からはCVT用オイルポンプも生産。12年には東広島工場を完成し、マツダのスカイアクティブ車向けオイルポンプの主力工場として稼動している。13年にはタイに現地法人を設立し、15年に操業開始。17年にはオイルポンプの生産累計が2500万台を達成した。AT用オイルポンプは、クラッチ・ブレーキ・歯車・軸受など変速機構や、トルクコンバータへの油圧・潤滑油供給を行う部品。また、直噴ガソリンエンジンに使用され、燃料をインジェクターに安定供給するフューエルレールも生産。これらの商品に加え、将来に向けての商品開発にも積極的に取り組む。
 表面処理事業は、元々ロータリーエンジン用の要素技術の1つとして、日本で最初にCVD(化学的蒸着法)コーティングを導入実用化した。金型や工具類の耐摩耗性向上のためのチタンベースのコーティングに続き、離型性、耐食性、耐酸化性に対応したクロームなどをベースにしたコーティングを開発。CVDでは、業界トップシェアを誇る。自社開発炉や高精度分析装置を駆使し、TiC(炭化チタン)膜を変形の少ないPVD(物理的蒸着法)で成膜する技術力や、超ハイテン用金型のコーティング開発も進めている。中部日本工場(愛知県)に超大型窒化炉を導入し、自動車外板パネル用金型の硬化処理なども行っている。
 新規事業として、医療関連機器の表面処理にも注力。冠動脈ステント用として開発した独自のDLC(硬質炭素膜)コーティングを、手術に使う鉗子などにも展開。現在は、自動車部品に適したDLCコーティングも開発。経済産業省から医療機器ビジネス領域で魅力ある企業として、「2017年度地域未来牽引企業」に選定された。 福利厚生では、企業年金基金、確定拠出年金、遠隔地出身者用独身寮などを備え、マイカー通勤もできる。育児・介護休職規定もある。社員にポイントを均等に付与し、社内給食や作業服、自己啓発補助などに利用できる選択型福利厚生制度も備えている。

会社概要

トーヨーエイテック株式会社
本  社:広島市南区宇品東5-3-38
設  立:1950年7 月資本金:30億円
売上高:240億円(2018年3月期)
従業員数:625人
事業内容: 工作機械、自動車部品の製造販売、ハードコーティング受託加工など
T E L:082-252‐5212
https://www.toyo-at.co.jp/index.html

※2018年8月当時の情報です。