Vol.1 マエダハウジング
~リノベ業界で働きがいづくり 企業理念を浸透させ、社員の意識を変える~
★☆★広島県における「働きがいのある会社」優秀企業★☆★

広島県は、「働きがい」の民間専門機関であり、世界60カ国以上で従業員意識調査を行うグレート・プレイス・トゥー・ワーク(GPTW)の「働きがいのある会社」調査に参加する県内企業に対して2021年度から、調査費の助成事業を行っています。本連載では、GPTW22年版広島県における「働きがいのある会社」優秀企業に選ばれた5社の取組を紹介します。
企業インタビュー動画
01. 働きがい向上に取り組んだ背景
「働きやすさ」から「働きがい」向上へ
02. 働きがい向上の主な取組と工夫点
絶えず経営理念の浸透に力を注ぐ
委員会活動で主体性を養う
各委員会が毎月会議を開き、それぞれの目標、達成に向けた具体的な行動計画を立て、PDCAサイクルを回す。3カ月に1回は委員会の責任者が集まって進ちょくを報告し合うほか、半年に1回のペースで成果発表会を開催。成果の出た事例を表彰し、社員のモチベーション向上につなげている。前田氏は「まず
〝やる場〟をつくることが重要。社員主体の円滑な運営を支援するために、部長クラスが促進役を務めること以外は各委員会の責任者に任せ、今までにないアイデアが生まれています。例えば、人財育成委員会では新卒入社から1~2カ月後に身に付けておくべき知識・スキルの習得を目指す「カレッジ」の新設を実現し、理念浸透委員会では仮想空間のメタバース上にオフィスを構えてアバターでコミュニケーションを図る場を設置しようといったアイデアが出るなど、手応えを得ています」と語る。
DXで生産性高め、会社への安心感を醸成
現場監督の1日の移動にかかる時間削減を目的に、21年に遠隔現場管理ロボットを導入した。ロボットに搭載されたカメラで遠方の事務所にいる監督者にリアルタイムで現場の様子を伝えるほか、マイクやスピーカーで双方向の会話もできる。導入当初は、操作に不慣れな現場の職人の手を煩わせたが、同社の社員が丁寧に操作方法を教え、現在までに業務効率を20%高めることに成功した。経理や販促業務に、定型業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)も導入し、作業時間を従来の3時間から10分に大幅短縮。これらのさらなる活用で、全社員の合計総労働時間を月500時間削減することを目指している。前田氏は「デジタル技術を活用した新しい働き方の導入により、『この会社で働き続ければ安心だ』という社員の〝心理的安全性〟が高まったと感じます」と成果を実感する。
社員を巻き込むCSV経営

03. 取組の中で感じた難しさや課題
やり方を変えることへの抵抗感
今までの働き方を変えてもらうことは容易には進まなかった。「特に建築現場へのデジタル導入は苦労しました。この経験を通じて一番必要だと感じたのは、今までのやり方を変えるという経営者の決断と勇気です。さらに、働きがいは数値で示しにくく、個人によって物差しが違うからこそ、理念の浸透によってベクトル(考えの方向性)を合わせることが重要です」と前田氏は振り返る。また生産性を測るために、仕事の棚卸しや仕事にかかる実際の時間を調べることにも多くの時間を費やしたという。
04. 働きがい向上の効果や成果、社内の変化
「好き」が集まり「ありがとう」あふれる職場に
05. 目指すべき姿・展望
100年後も持続する会社へ
社員の声
経営本部 総務経理室 主任 高野 由美子氏
取材日:2022年6月
会社概要
株式会社マエダハウジング
所在地:広島市中区八丁堀10-14 八丁堀マエダビル3・4F
URL:https://www.maedahousing.co.jp/
業務内容:住宅リフォーム・新築住宅・不動産など
従業員数:98人(男性62人、女性36人パート含む)
情報提供:広島県
(働き方改革・女性活躍 取組サポートサイト「ヒントひろしま」http://hint-hiroshima.com)