産業用燃料販売で
中四国トップクラス
株式会社広島ケロシンサービス
配送・販管システム拡販しDX推進
産業燃料の配送に特化した産業燃料販売業者で、中四国トップクラスの規模を誇る。建設現場の大型重機のほか、ホテルや病院などのボイラー、非常用発電機などに小口で配送。1台で二つの油種を顧客に届けられるよう、特別仕様のロータリーを導入しているほか、潤滑油も取り扱い顧客のオイルタンクに充填もする。広島自動車道の広島西風新都インターチェンジから車で約1分の好立地に本社を構え、敷地内にオイルターミナルを併設。自家発電設備を備えており、地震などの緊急時にも燃料を供給する。
本社は3階建て延べ434平方㍍で大型の非常用発電機などを備え、緊急時にも確実に業務を遂行。安定した供給体制を整備し、商品センター(安佐南区伴中央)を含め、軽油、重油、LSA重油、灯油で計40万㍑を備蓄する。各地の協力店と連携することで、東北〜九州をカバー。地震など災害時の緊急配送、燃料備蓄を目的とした事業継続計画(BCP)対策の契約にも力を入れ、通信業者や金融機関、放送局など引き合いが増えている。
全国で復興支援
2016年の熊本地震や18年の西日本豪雨、19年の房総半島台風などでは、復旧工事などに燃料を供給。能登半島沖地震では1月18日~3月3日、復興支援へ現地入りした。被害の大きかった場所を中心に1月中は輪島市、2月に入ってからは珠洲市にて避難所や病院などに北陸電力が配備している非常用電源車のディーゼル発電機に燃料の軽油を巡回し給油にあたった。末續斉一社長は、「ガスや水道も使えない実際の災害現場で、任務をやり遂げ、万一に備えた同業者との協力関係も深まった。今後も燃料の配送を通じ、社会に貢献したい」と話す。
SDGs達成に向け、CO2の排出量を削減できる環境配慮型燃料の取り扱いを拡大しており、環境問題に配慮するスーパーゼネコンなどからの引き合いが増えている。天然ガス由来の代替燃料「GTL燃料」は、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録済みで、軽油に比べCO2の排出量を8・5%削減。軽油用燃料促進剤「K-S1」は、約1割燃費が向上することに加え、排出ガス中のCO2を削減できるという。両ディーゼルエンジンの排気ガス中の窒素酸化物を浄化する、尿素SCR(選択触媒還元)システム用の尿素水「アドブルー」も販売。太陽光発電事業に加え、子ども食堂の支援なども手掛けている。
配送・販管システム拡販
業務効率化を目指して自社開発した配送管理システム「radtipDELIVER」を21年から実用化。同業他社からの引き合いが多いことから22年から販売を始めた。ドライバー向けのスマホと事務所のPC内の情報をクラウドで一括管理し、給油結果などをリアルタイムに反映する。24年7月時点で福岡、兵庫、愛媛、大阪、愛知、岐阜などの業者計10社に販売した。インボイス制度に合わせ23年から実用開始した電子請求販管システム「radtip BILL」は、建設会社などの取引先が請求書などの電子データをメールで受け取れ、現場ごとの経費計算が容易になるという。兵庫、愛媛、大阪、愛知などの業者計7社への販売実績がある。両製品とも商標登録し、IT導入支援事業者にも採択済み。さらなる拡販へ近く専門部署の設置を計画している。
会社概要
株式会社広島ケロシンサービス
本 社:広島市安佐南区伴西2-3-5
設 立:1995年5月(創業1992年5月)
資 本 金:1000万円
売 上 高:42億756万円(24年4月期)
従業員数:30人
事業内容:燃料油(軽油・灯油・重油・その他油製品)、潤滑油などの販売
T E L:082-849-6869
F A X:082-849-6857
U R L:https://www.kerosene.co.jp/
※2024年9月当時の情報です。