世界シェアトップを誇る
ポンプ・タービン専門メーカー
株式会社シンコー
100年企業へ社員一丸で挑戦
「ポンプ」「タービン」で世界トップシェアを誇るシンコー。現在、①船用、②陸用、③サービスの三つの事業領域を持ち、各分野で成長を続ける。特にLNG燃料を船から陸へ引き上げる「LNGカーゴポンプ」の受注が好調で、すでに2024年、25年度の業績は過去最高の更新を見込んでいる。
シンコーのポンプ・タービンは、全て広島県内で生産。その製品は国内のみならず、世界中で活躍している。サービス拠点としてバンコク、シンガポール、ドーハに駐在員事務所を設置し、オランダ(アムステルダム)と中国(上海)に現地法人を持つ。また、海外代理店との提携を進めるほか、自社でトレーニングしたエンジニアを配置し、手厚いアフターサービスネットワークを構築。難しい依頼にも最大限に応じ、世界中どこでトラブルが起こっても対応できる体制を整備している。
シンコーの製品は世界各地で高く評価され、LNGカーゴポンプの製造で世界シェア約9割、原油タンカー用カーゴオイルポンプ・駆動用蒸気タービンの製造で世界シェア約8割を占める。再生可能エネルギーを利用した発電機タービンも国内外で多くの納入実績を誇る。取引先との長い信頼関係の中で、特殊技術が必要な相談を受けることも多い。
近年はIoTの開発にも積極的で、顧客の発電プラントなどで使う陸用タービンの遠隔監視システム「IoTurbine」を運用。同社製のタービンに専用のシステムを取り付け、発電機の出力や回転速度、圧力などをクラウド経由で情報収集。データの有効活用により、顧客の発電利益の極大化と、ライフサイクルコストの極小化につなげる。
脱炭素社会に向けて
現在、世界では脱炭素社会に向けた取り組みが加速。シンコーでもエネルギー革命に備えて新製品の開発に取り組んでいる。LNG荷揚げ用ポンプで培った技術力を活用し、19年に世界初となる液化水素荷揚げ用ポンプの開発に成功。22年には長軸のLNG燃料供給用ポンプを国内で初めて製品化した。
シンコー・スピリット継承
シンコーの歴史は1938年に創業者の筒井留三が合金鋳造工場を操業したことから始まった。決して順風満帆ではなく、原子爆弾投下による甚大な被害、技術提携交渉の失敗、造船不況による経営悪化など、数々の逆境があった。しかし、その度に限界をつくらず、社員一丸となってチャレンジを続けて逆境に打ち勝ち、全国有数のメーカーへと成長。鋳造からアフターサービスまで一貫したバリューチェーンを築き上げ、企業理念にもある顧客優先の製品づくりに邁進し続けた結果、現在の世界シェアトップ企業へと躍進した。
若手が活躍できる環境
先代たちのスピリットは現在のシンコーの社員たちにも引き継がれ、「世界で挑戦している会社で活躍したい」と夢を見て入社した人が多い。入社すると、適性を見てチャンスを与えられ、若手のうちから活躍できる環境がある。人事担当者は、
「変化の激しい時代の中でも強いシンコーであり続けるために、当社は自分に限界を作らず、誠実で、高い志を持って自己研さんできる人財、挑戦することを止めない人財を求めています」と話す。
会社概要
株式会社シンコー
本 社:広島市南区大州5-7-21
設 立:1938年
資 本 金:1億円
売 上 高:346億円(2023年10月期)
従業員数:490人
事業内容:陸舶用各種ポンプ、LPG・LNGポンプ、陸舶用各種蒸気タービン、省エネ用発電機タービン、鋳鉄、銅合金、ステンレス鋼鋳造品
T E L:082-508-1000
U R L:http://www.shinkohir.co.jp/
※2024年9月当時の情報です。