半導体メーカー向け
過酸化水素を製造
三徳化学工業株式会社 広島工場
設立70周年、先端技術の発展に貢献
半導体を作る工程において材料を洗浄する際に使われる、不純物を極限まで取り除いた薬液「高純度 過酸化水素」の製造を東広島市高屋台の工場で手掛ける。2015年から稼働する同工場では現在、製造と品質管理という二つの部署で約15人の社員が勤務。パソコンやスマートフォン、家電、自動車など、さまざまな機器に不可欠な半導体の生産を下支えしている。
半導体産業とともに成長
三徳化学工業は1955年、宮城県仙台市で設立。翌年から過酸化水素の製造販売を始め、60年代以降は半導体向けの薬液作りに力を入れる。高度経済成長とともに日本の半導体産業は大きく飛躍し、それに伴って過酸化水素のニーズも伸長。90年代には台湾とドイツの企業に精製技術を供与したほか、シンガポールに関連会社を設立するなど着実に成長を続け、海外でも高い存在感を持つ会社となった。
国内では東京の本社と宮城工場で主に東日本の半導体メーカーの需要に応えてきたが、西日本の取引先との関係強化やBCP(災害などに備えた事業継続計画)の観点から広島工場を設置。近年、半導体工場の進出が進む九州などのエリアにも製品を届けていきたいとする。
25年に設立70周年
専門性が求められる仕事と思われがちだが、未経験で入社した社員も多いという。広島工場の工場長を兼務する今野照夫上席執行役員は、「研修やOJTなどでしっかりと知識を身に付けられる環境で、業務に必要な資格取得の補助制度も充実。広島工場からの転勤は原則なく、安心して長くキャリアを築ける会社だと自負しています」
勤続10年、20年といった節目には社員にリフレッシュしてもらうため、休暇と旅行券をプレゼントするなど福利厚生制度も整っている。
2025年6月で設立70周年を迎えた。新しい経営理念「明るい未来へ革新と創造、化学の力で社会に貢献する」の下、AIや自動運転といった先端技術の発展に貢献し、次の10年、そして100年の大台を見据える。
会社概要
三徳化学工業株式会社 広島工場
本 社:東広島市高屋台2-7-3
設 立:1955年6月(広島工場は2015年完成)
資 本 金:1億円
売 上 高:45億円(2025年3月期、全社)
従業員数:広島工場16人(全社93人)
事業内容:高純度過酸化水素の製造・販売
T E L:082-491-2077
U R L:https://santoku-chem.jp/
※2025年9月当時の情報です。