メカニカルシール製品世界シェア
7割のイーグル工業グループ
広島イーグル株式会社
プレス加工や切削加工で自動車部品製造
自動車用ウォーターポンプのメカニカルシール製品で世界70%のシェアを持つイーグル工業グループ。広島で自動車・建設機械向けのシール部品を製造する。その役割は、機械で取り扱われる水や油などの機械外部への漏れを防ぐことで、環境汚染の防止、機械の運転の効率化、安全に貢献する。
もともとは1986年にイーグル工業の兄弟会社であるNOKの衛星企業のメナックとして設立。その後、2009年に日本をはじめとする世界各国に関連会社84社を有するイーグル工業のグループ会社となり現社名に変更した。生産する部品は、世界トップシェアを誇る製品に姿を変え、世界各国の自動車に搭載。国内だけでなく、海外に存在する関係グループ各社へも部品を供給している。
小松原正行社長は、「昨今の世界の車市場のEV化への動きの加速に伴い、われわれも大きな転換期を迎えています。これまで培ってきた技術力を基に、新しいものづくりへの取り組みを推進しようとしています。日常の生産活動の中で生まれる高い技術力を武器とし、『必要とされる会社』でありたいと考えています。最近ではSDGsや環境問題にも積極的に取り組んでいます」と話す。
完全自動化ラインを構築 大量生産で世界中に供給
自動車や建設機械部品のプレス加工、切削加工などを主に手掛ける。同社で製造した部品は親会社のイーグル工業で組み立てる。自動車のエンジン部分の冷却水ポンプの水の漏れを防ぐ製品のウォーターポンプ用メカニカルシールは月380万個を製造。世界マーケットシェア70%で、完全自動化ラインによる大量生産体制により、世界中に供給している。自動車のエアコン用コンプレッサの圧力制御弁のコントロールバルブは、月104万個を製造。回転負荷を制御することにより、低燃費化を実現している。さらに、自動車エアコン専用の回転軸シールのリップシールは、月970万個を製造。フロンガスの漏れを防ぎ、地球温暖化に貢献している。同製品も完全自動化ラインを構築しており、大量生産体制により、世界中に供給する。
小松原社長は「複雑な形をした部品は、高い精度と品質を求められるモノが多く、お客さまの要望に応えられるように常に厳しいチェックを行っています。訓練された従業員が機械やロボットを操作して、年間数億個の製品をつくり出しています」と、品質、技術力の向上に注力する。
また、これらの部品を生産するだけでなく、生産するための技術も有しており、各要素技術のエキスパートたちが、グループ内各拠点に技術支援を行っている。
新事業開発へ 航空宇宙産業へ進出
グループ企業では現在、高い精度が要求される航空宇宙関連部品を製造しており、広島でもそこに携わる動きが出てきている。このほか、半導体需要が高まる中、関連装置の製造への参入も検討する。小松原社長は「当社の高い技術力を新たな領域へ生かし、ワクワクする仕事を手掛けることができれば、社員の士気も高まる。モノづくりは夢のある仕事。大きな挑戦ですが、実現できるよう社員一丸で取り組みたい」と話す。現在の社員は約200人。広島に構える2工場で高い技術力を育み、日本のモノづくり産業を支える。
会社概要
広島イーグル株式会社
本 社:広島県山県郡北広島町新氏神6番地
設 立:2009年6月
資 本 金:1億円
売 上 高:33.5億万円(2024年3月)
従業員数:179人
事業内容:自動車・建設機械部品製造
T E L:0826-72-5900
U R L:https://www.ekkeagle.com/jp/hek/
※2024年9月当時の情報です。