三菱系などVC3社への割当増資
不動産商談支援システムが急伸
ディシム
不動産商談支援システムのディシム(中区八丁堀14-1)は9月16日付で、三菱UFJキャピタル(東京)、広島ベンチャーキャピタル(HVC)、いよぎんキャピタル(愛媛)の3社を引受先とする第三者割当増資を行った。事業を拡大する段階の「シリーズB」の資金調達となる。不動産の販売・商談に必要なさまざまな情報・機能をDX化できる点などが評価され、大手分譲マンション開発業者への導入が伸長。2023年6月期売上高は前年比2倍強の4億円、25年に12億円を目指す。
主力システム「DiSIM Base」は不動産商談に使う資料をデジタル化し、オンライン商談、住宅ローン計算などの各種シミュレーション、部屋を再現したVRシステムなどを搭載。直感的に操作できるデザイン性の高さが特長という。導入先は積水ハウス、あなぶき興産、大京など大手不動産会社に絞り、これまでに47社の254物件に採用された。第三者割当増資は昨年1月に次ぐ2度目で、初回はキプス(東京)、HVC、オプティマ・ベンチャーズ(愛媛)が引受先だった。資本金は8660万円となった。調達資金は新サービス開発、人材採用・育成、販促などに使い、成長を加速させる。
同社は2013年に創業。不動産会社向けウェブサイト・ソフト制作などを経て、19年から不動産商談支援システム開発に軸足を移した。企画・開発からデザイン、販売を社内で一貫できる体制を整え、高速アップデートを繰り返してサービス品質を向上させる。DiSIM Baseのほかに、顧客向け「同Mobile」、顧客のアクセス状況を解析する「同Score」も展開。新築分譲マンション向けが主力だが、今後、戸建てや海外物件向けなどへの水平展開を計画している。来年1月に顧客向け新システムをリリース予定。20年6月期売上高は5700万円、21年が1億500万円、22年が1億8500万円と売り上げを倍増させている。東京と名古屋にオフィスを構え、社員数23人。